最新記事

中国経済

中国企業を覆う「金欠病」、在庫増と売掛金回収難も

25年ぶりの低成長に落ち込む中、売れ残り在庫だけでなく未払いの請求書も山をなし──

2016年2月5日(金)19時09分

2月5日、「売上高は虚栄心、利益は正気、しかし現金は現実」という格言が真実であれば、中国企業の多くは今、現実に直面していると言えるだろう。写真は珠江デルタの工場。2009年6月撮影(2016年 ロイター/Bobby Yip)

 「売上高は虚栄心、利益は正気、しかし現金は現実」という格言が真実であれば、中国企業の多くは今、現実に直面していると言えるだろう。

 ロイターが中国企業1200社の運転資金を分析したところ、手元現金が一段と乏しくなっていることが分かった。中国経済が25年ぶり低成長に落ち込む中で売れ残り在庫が膨らんでいる上、売掛金の回収にかかる日数が伸び、支払ってもらっていない請求書が山をなしている。

 KPMGチャイナのパートナー、ファーガル・パワー氏は、中国企業の大半は好況時に市場シェアと売上高を伸ばすことを優先させた、と指摘。その結果「中国は運転資金の管理が甘い」という。

 ロイターの調査は、上海・深セン上場企業のうち時価総額が5億ドルを超える全企業を網羅している。それによると、売掛金の回収にかかる日数は平均で、2011年の37日から、現在では59日に伸びた。

 業種別では、エネルギーが24日から80日、工業は61日から94日、情報技術(IT)が76日から112日と伸びが特に大きい。

 三菱東京UFJ銀行のアナリスト、クリフ・タン氏は「工業セクターではここ数年、売掛金の増加ペースが売上高の伸び率を上回っている。データからはこれが根強い問題であることが分かる」と述べた。

 「問題が深刻化しているサインは、怪しげなシャドーバンク商品が登場していることだ」という。手元現金に困った企業が、伝統的な銀行融資を受けることが難しいため、こうした商品に手を出すのだという。

春節後に失業者急増の恐れ

 サン・グローバル・インベストメンツのサジブ・シャー最高投資責任者(CIO)は「多くの中国企業では、需要の急減に見舞われている」と指摘。「在庫が積み上がってるのに加えて、顧客は支払期間延長などの優遇を要求しており、売掛金が膨らむのは当たり前」と話す。

 売上高に占める在庫の比率は、工業セクターでは22.7%から26.5%に上昇し、ハイテクは20.9%から23.7%に上昇した。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

カナダ首相、3月初旬にインド訪問か 貿易多様化を推

ワールド

EU、ロシア産ガス輸入停止を承認 ハンガリーは提訴

ビジネス

ホンダ、中国の四輪工場19日の週から再開 半導体不

ワールド

南アランド、22年以来の高値 一時1ドル=16ラン
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:「外国人問題」徹底研究
特集:「外国人問題」徹底研究
2026年1月27日号(1/20発売)

日本の「外国人問題」は事実か錯誤か? 7つの争点を国際比較で大激論

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 2
    【銘柄】「住友金属鉱山」の株価が急上昇...銅の高騰に地政学リスク、その圧倒的な強みとは?
  • 3
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡張に新たな対抗手段
  • 4
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 5
    「外国人価格」で日本社会が失うもの──インバウンド…
  • 6
    「楽園のようだった」移住生活が一転...購入価格より…
  • 7
    「20代は5.6万円のオートロック、今は木造3.95万円」…
  • 8
    私たちの体は「食べたもの」でできている...誰もが必…
  • 9
    麻薬中毒が「アメリカ文化」...グリーンランド人が投…
  • 10
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 1
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡張に新たな対抗手段
  • 2
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 3
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コングスベルグ社のNSMにも似ているが...
  • 4
    データが示す、中国の「絶望的な」人口動態...現実味…
  • 5
    ラブロフ、グリーンランドは‌デンマーク​の「自然な…
  • 6
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 7
    ニュージーランドの深海に棲む、300年以上生きている…
  • 8
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」…
  • 9
    ピラミッドよりも昔なのに...湖底で見つかった古代の…
  • 10
    麻薬中毒が「アメリカ文化」...グリーンランド人が投…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 5
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 6
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 7
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
  • 8
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 9
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中