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化学兵器ロシアはシリアから化学兵器を奪い取れるか
アメリカの対シリア攻撃を、ロシアがシリアに化学兵器を廃棄させて回避するというが
大国も口だけ 生物化学兵器対策の訓練をするロシア軍兵士 Kazbek Basayev-Reuters
化学兵器を使用したとされるシリアのアサド政権に対して、アメリカが武力行使に踏み切るかどうか。緊張が高まるなか、ロシアが仲介役として存在感を高めている。アメリカの攻撃を回避するため、すべての化学兵器を国際監視の下に引き渡して廃棄するよう、アサド政権に働きかけているのだ。
もっとも、そのロシアも、自国内の化学兵器の管理状況はお粗末なものだ。ロシアはかつて、少なくとも4万トンの化学兵器を保有していたが、開発や生産を包括的に禁じた化学兵器禁止条約を97年に批准し、廃棄処分を進めてきた。ロシア政府は当初、07年までにすべての廃棄を完了するとしていたが、01年の時点で12年に延期。しかし、12年までに廃棄された化学兵器はわずか62%だった。
当局は、期限を15年に再度延期したが、今ではそれすら実現が危ぶまれている。ロシアメディアは今年4月、廃棄の完了は2020年になるだろうと報じた。
その影響はシリアにも及んでいるかもしれない。アメリカのヘーゲル国防長官は先週、アサド政権が使った化学兵器の一部はロシアから流出した可能性があると語った。シリアが保有する化学兵器は、かつてのロシアほど大量ではないだろうが、シリア国内に広く分散しており、数週間以内にすべてを回収して廃棄処分にするのは不可能とみられる。
もっとも、化学兵器の廃棄が進まないのはロシアだけではない。アメリカもたびたび廃棄期限を延長しており、いまだに完了していない。
© 2013, Slate