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民族紛争ミャンマーの極右僧侶がムスリム排斥
「969運動」を名乗る僧侶がイスラム教徒や少数民族を襲撃する事件が相次いでいる
仏教至上主義 「ミャンマーのネオナチ」とも呼ばれる僧侶のウィラツ Soe Zeya Tun-Reuters
人口の9割を仏教徒が占めるミャンマー(ビルマ)で、少数派のイスラム教徒を排斥する動きが激化している。象徴的なのが著名な僧侶ウィラツが主導する「969運動」だ。彼らは仏教徒が営む商店に対し、イスラム教徒の店と区別するための表示を掲げるよう呼び掛けるなど反イスラム感情をあおっている。
969運動が「手本」としているのはイギリスの極右団体「英防衛連盟(EDL)」。先月にロンドンでイギリス軍兵士がイスラム教徒2人に殺害された事件に抗議して、イスラム系移民排斥を訴える大規模デモを主導した組織だ。フェイスブックには「EDLを支持するミャンマー仏教徒」を名乗るページが開設され、EDLも969運動にラブコールを送っている。
だが「暴力を使わずに国民を守るEDLのようになりたい」というウィラツの発言とは裏腹に、ムスリム迫害は過激化する一方だ。バングラデシュ国境に近いラカイン州では昨年、イスラム教徒の少数民族ロヒンギャ族が仏教徒に襲撃され、200人近くが殺害された。最近も各地でムスリムを狙った放火や襲撃事件が相次いでいる。
[2013年6月25日号掲載]