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リビア世界に散らばるカダフィ資産はどうなる?
数百億ドルともいわれるカダフィ一族の莫大な資産はリビア国民の手に渡るのか
独裁者の富 カダフィ一族は欧米やアジアの秘密口座などに資産を貯めこんでいたという説も Suhaib Salem-Reuters
先週、リビアの独裁者ムアマル・カダフィが2カ月にわたる逃亡の末に殺害されたことで、リビアは一つの転換点を迎えた。その一方で、気になるのは彼が残した巨額の富の行方だ。
石油資源に富んだ小国の独裁者として42年近く君臨したカダフィが築き上げた財産は、数百億ドルにも達するとみられている。
この大金は一体誰の手に渡るのだろうか。
各国は今のところ、状況を注意深く見守っている。今年2月、カダフィが反体制派に対する武力制圧を行ったため、国連安保理はリビアへの制裁決議を可決。これを受けてイギリス政府は、カダフィやその一族がイギリス国内で保有する資産を凍結したと発表した。同様にアメリカも約370億ドル、日本も約44億ドルを凍結した。
カダフィが遺書を残していたら
イギリス政府が凍結したのは、リビアの政府系ファンドであるリビア投資庁(LIA)傘下の資産約190億ドル分。カダフィの財産の「中核」部分と目されている。
その後、9月初めに開かれたリビアの復興支援国際会議では、凍結した資産のうち150億ドルを解除し、復興にあてることが決まった。しかし、隠し資産を含めカダフィの国外資産が本当はどのくらいあるのかは、いまだに把握できていない。
カダフィの資産が今後どうなるかは、リビアの情勢次第だ。リビア新政府はおそらく、資産はもともとリビア国民のものだからリビアに返還すべきだと主張するだろう。しかしカダフィが遺書を残し、生き残った家族に資産が渡るようにと記していた可能性もある。
今後の展開としては、国連決議の元でカダフィ一族の資産を凍結した国々との間で協議が行われる、というのが妥当な線だろう。
(GlobalPost.com特約)