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世界平和今年ノーベル平和賞にふさわしいのは?
「アラブの春」の活動家から「世界平和の番人」EUまで、史上最多の候補の中で注目されるノーベル委員会の判断
起爆地点 エジプトの民主化を引っ張ったグーグルの元社員ワエル・ゴニム(左中央) Dylan Martinez-Reuters
今日予定されているノーベル平和賞受賞者の発表を前に、世界ではさまざまな推測が飛び交っている。
今年は史上最多の241候補が推薦されたが、その中でも有力候補は絞り込まれている。最有力は中東・北アフリカに「アラブの春」を巻き起こした活動家たちとされているが、ロシアの人権活動家スヴェトラーナ・ガヌシュキナやEU(欧州連合)も受賞の可能性があるとみられている。
「アラブの春」の皮切りとなったエジプトで有力候補に挙がっているのは、グーグルの元社員ワエル・ゴニム。民主化運動を促し、改革を訴えるモハメド・エルバラダイ前国際原子力機関(IAEA)事務局長のファンページを立ち上げた人物だ。同サイトは民主化を求める市民が集う場となり、デモが拡大した際にも情報の収集や発信の手段として活用された。
エジプトではもう一人、民主化組織「4月6日運動」をフェースブック上に創設したイスラア・アブデルファタも有力視されている。
中東・北アフリカでは他にも、チュニジアのベンアリ前政権を批判し民主化運動を啓蒙したブロガーのリナ・ベン・メンニや、ヨルダンの故タラール1世の孫で宗教間の理解を深める活動に長年取り組む哲学者ガジ・ビン・ムハンマドの名前も挙がっている。
一方、ロシアの人権擁護団体メモリアルとその幹部メンバーのスヴェトラーナ・ガヌシュキナも注目されている。ブルームバーグによれば、メモリアルはかつてソ連圏で起きた弾圧の歴史を調査し、その結果を発表することに力を入れている。
団体や組織の中では、EUも候補に挙がっている。AP通信によれば、平和をもたらす組織として評価されつつあるという。
いったい誰が選ばれるか、世界はそれにどう反応するかは発表を見てのお楽しみだが、過去2年の受賞者は波乱を巻き起こした。09年のバラク・オバマ米大統領は就任してまだ間もないのに受賞は尚早だとの批判された。10年には中国の民主活動家、劉暁波が選ばれ、中国政府の猛反発を招いた。
今年も、発表後の波紋の行方に注目が集まりそうだ。