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リチウム鉱脈発見アフガンをサウジに例えるな
アフガニスタンで巨大な埋蔵鉱脈が見つかったが、「リチウムのサウジ」とは呼びたくない理由
アメリカが最近「リチウムのサウジアラビア」を発見したことをご存知だっただろうか。ニューヨーク・タイムズ紙によると、戦火にまみれたアフガニスタンにその莫大な資源が埋まっているという。
鉄・銅・コバルト・金のほか、リチウムのような希少金属などの大規模な鉱脈が見つかった。埋蔵鉱脈の規模の大きさと、工業に不可欠な鉱物資源の種類の多さから、アフガニスタンはやがて世界有数の鉱物採掘地になり得ると、米当局者はみている。
米国防総省の内部資料によると、アフガニスタンは「リチウムのサウジアラビア」になる可能性があるという。リチウムはノートパソコンや携帯電話のバッテリーに必要な材料だ。
そのうえリチウムは......何と(夢のような)電気自動車にも必要なのだ!
これまで「リチウムのサウジアラビア」はチリやボリビアだと言われてきた。リチウムは石油のような資源であり、サウジアラビアには莫大な量の石油があるということだ。ただし当然ながら、リチウムは石油ではない。まったく違う。
石油はガソリンに変えるだけだが
確かにリチウムイオン電池にリチウムは欠かせない。しかしエネルギー資源としては、リチウムは石油よりずっと面倒くさい。石油の素晴らしい点は、エネルギーとしての潜在力を秘めながら、ただサウジアラビアの砂漠の下に液体の形で存在していること。われわれは、それを見つけてくみ出すだけでいい。より正確に言えば、サウジアラビアがその作業をした後で買い取り、後はそれをガソリンに変えればいいのだ。
一方、リチウムは電池の製造工程に組み入れて、さらに発電装置につながないとその価値を実現できない。というわけで、「リチウムのサウジ」という表現はやめたほうがいいかもね。
(The Big Money特約)