最重要は「2度洗い」⁈ SNSで話題のヘアケア「本当の効果」を専門家に聞く
Viral Hair Care
ヘアオイルや、熱を使わないカーラー、頭皮マッサージも人気。現代は髪と頭皮のケアに金と時間をかける時代だと専門家は言う AMPHOTOGRAPHY/ISTOCK
<頭皮ケア、固形シャンプー、グラスヘア──。SNSには理想の髪を手にするための情報が溢れているが、どれが本当に効果的なのか>
ソーシャルメディアはヘアケアのアドバイスの宝庫だ。理想の髪を手に入れるためのこつやアイテムを紹介する動画が大量に投稿されている。
一方で、あふれる情報に圧倒されて、どれが本当に効果がありそうか、分からなくなるのも無理はない。そこで注目されている6つのケアについて専門家に聞いた。
ヘアオイル
ココナツオイルやキャスターオイル(ひまし油)、アルガンオイル、ローズマリーオイルなどを頭皮と髪に塗り、栄養を与えて毛根の保湿を促す。
南アジアや中東では古くから知られる美の習慣で、多くの人が実践しているが、TikTok(ティックトック)の威力でさらに広まっている。ハッシュタグ「#hairoil」の付いた動画の再生回数は39億回以上。ロンドンの人気ヘアサロン「ビリ・カリー」のヘアスタイリスト、トム・スミスもオイルのファンだ。
「ほとんどのオイルは髪や頭皮に吸収されるのではなく、表面に保護層を形成して、頭皮の荒れた部分やキューティクルを柔らかくしてくれる」
<プロの意見>
間違いなく髪の健康に良いが、適切な量や方法などに注意が必要だ。スミスによると、オイルを「正しく洗い流さないと、髪のハリとコシが失われ、重たくなりやすい」。
グラスヘア
セレブのスタイリングを手がけるジェイ・バーミンガムが「生きがい」と語るグラスヘア。「ガラスのような輝きを放ちながら、ゴージャスでラグジュアリーな手触りを演出する」
「#glasshair」の再生回数は4億8600万回を超え、究極の光沢を自宅で実現するために、多くのブランドが関連製品を発売している。トリートメントなどのケア製品を丁寧に選んで。
<プロの意見>
「ミディアムからロングに向いている」とバーミンガム。勝負は髪を洗うところから始まる。「髪の状態をできるだけ最高に保つことが、とにかく大切だ。栄養を与えるシャンプーとコンディショナーを使いたい」
スミスによると、「パックやコンディショナーも効果があるが、仕上げにつや出しスプレーを使うとガラスのような輝きが加わる」。
ヒートレスカール
オーバーナイトカールとも。布製や布で覆われた専用のカーラーに髪を巻き付けて寝ると、朝起きたときには、きれいなカールがついている。ホットアイロンなどの髪にダメージを与える熱を使わない点も人気で、「#heatlesscurls」の再生回数は95億回を超える。
美しいカールを手に入れるこつは「入念な下準備」だと、スミスは言う。スタイリング用スプレーやアウトバストリートメント(洗い流さないトリートメント)を少量使うと、「重みで下がりやすい髪のスタイルを保ちやすくなる」。
「全体をふんわりさせるには、特にトップがつぶれないように注意する。気まぐれに飛び出す浮き毛は、スプレーをかけると落ち着く」
<プロの意見>
ロンドンでヘアサロン「KCスタジオ」を経営するクリスティーン・シンブルによれば、こつは「ホールド力のあるスタイリング剤を使うこと」。髪質は問わないが自然なウエーブがある人のほうが向いていると言う。
カーラーが邪魔で寝にくかったという人も諦めないで。スミスは「どこで巻くかは自分で選べるので、一番快適に寝られるポジションを探してみてほしい」と言う。