最新記事

薬物依存

薬物依存の息子の死を覚悟した母親が語る、依存症克服の戦いと家族の再生

My Son Almost Died

2021年07月29日(木)18時46分
ショーン・ノシェ(作家)

数年前に電話をくれた古い女友達の息子は、依存症との闘いのなか、19年3月に亡くなった。私は彼のことを小さい頃から知っていたし、旧友も私の息子をかわいがってくれていた。2人とも周りに愛されていたはずなのに、私の息子は回復へ向かい、彼女の息子は死んでしまった。なぜ? 答えはない。

でも旧友は孤独ではなかったから、まだ絶望に耐えられたのだろう。私が彼女のそばにいたように、他の人々の支えになりたいという思いで、彼女と私は薬物依存の子を持つ親を支援するNPO「ラブ・イン・ザ・トレンチズ」を立ち上げた。

いま私は全米のリハビリ施設などを訪問しながら、親が子供たちの回復を助けるのに役立つネットワークづくりや情報提供などの支援活動を行っている。

誰もが回復する幸運に恵まれるわけではない。でも私たちの関係の核には愛があるべきだし、孤独が薬物依存を悪化させることも確かだ。依存症になった子供を愛すること、その回復を邪魔しないこと、そして私たちの結び付きそのものの中に希望があると信じている。

ニューズウィーク日本版 教養としてのBL入門
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年12月23日号(12月16日発売)は「教養としてのBL入門」特集。実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気の歴史と背景をひもとく/日米「男同士の愛」比較/権力と戦う中華BL/まずは入門10作品

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

日中双方と協力可能、バランス取る必要=米国務長官

ビジネス

マスク氏のテスラ巨額報酬復活、デラウェア州最高裁が

ワールド

米、シリアでIS拠点に大規模空爆 米兵士殺害に報復

ワールド

エプスタイン文書公開、クリントン元大統領の写真など
あわせて読みたい

RANKING

  • 1

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 2

    タブーを覆した65歳 「真の自由な女性」ブリジット…

  • 3

    アメリカ日本食ブームの立役者、ロッキー青木の財産…

  • 4

    恐怖の12分間...血と涙の『くるみ割り人形』残酷な舞…

  • 5

    女性の活躍を妨げる「ガラスの天井」を破るのは、男…

  • 1

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 2

    女性の胎内で育てる必要はなくなる? ロボットが胚…

  • 3

    女子サッカーで世界初、生理周期に合わせてトレーニ…

  • 4

    アメリカ日本食ブームの立役者、ロッキー青木の財産…

  • 5

    2100年に人間の姿はこうなる? 3Dイメージが公開

  • 1

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 2

    「恐ろしい」...キャサリン妃のウェディングドレスに…

  • 3

    女性の胎内で育てる必要はなくなる? ロボットが胚…

  • 4

    ハリウッド大注目の映画監督「HIKARI」とは? 「アイ…

  • 5

    2100年に人間の姿はこうなる? 3Dイメージが公開

MAGAZINE

LATEST ISSUE

特集:教養としてのBL入門

特集:教養としてのBL入門

2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく