実写版『白雪姫』に大抜擢されたラテン系の20歳、レイチェル・ゼグラーとは
The Perfect Snow White?
『ウエスト・サイド・ストーリー』撮影中のゼグラー JAMES DEVANEYーGC IMAGES/GETTY IMAGES
<ディズニーの新プリンセスに抜擢されたのはラテン系注目株のレイチェル・ゼグラー。これは「白人の権利の侵害」なのか>
ディズニーの『白雪姫』といえば世界初のカラー長編アニメ映画であり、映画史に残る記念碑的な作品。その実写版の主役に、20歳のレイチェル・ゼグラーが大抜擢された。
ゼグラーは、今年12月に日米で公開予定のスティーブン・スピルバーグ監督作『ウエスト・サイド・ストーリー』のマリア役でデビューする注目株。2023年に全米公開予定の『シャザム!』続編への出演も決まっている。
コロンビア出身の母とポーランド系アメリカ人の父を持つゼグラーは5、6年前からYouTubeやSNSで見事な歌声を披露し、注目されていた。『ウエスト・サイド・ストーリー』の公開オーディションで挿入歌「トゥナイト」「素敵な気持ち」を歌い、3万人の中からマリア役を勝ち取ったのは17歳のときだ。
今回の配役が発表されると、これまで白人が演じてきた「雪のように白い肌」の白雪姫にラテン系俳優が起用されることへの批判が一部で上がった。極右に人気のSNSギャブには「ヨーロッパやアメリカの白人が受け継いできた歴史や物語を、人々が書き換えようとするのにはうんざり」「白人の権利の剝奪だ」という書き込みが見られた。
しかし、映画界でも多様性が尊重されるのが今の時代。同じくディズニーの実写版『リトル・マーメイド』でも、黒人歌手ハリー・ベイリーがアリエルを演じることが決まっている。
「桁外れの歌唱力だけではない」
ゼグラーの白雪姫についても「完璧な配役だ」「ディズニーはプリンセスを多様化するという素晴らしい仕事をしている」といった肯定的な反応が多かった。彼女自身は批判に応えるように、こうツイートした。「イエス、私は白雪姫。ノー、私は役のために肌を脱色したりしない」(後に削除)。
実写版『白雪姫』は22年に撮影開始とされ、監督は『(500)日のサマー』『アメイジング・スパイダーマン』で知られるマーク・ウェブだ。
彼は「レイチェルの桁外れの歌唱力は、彼女の才能のほんの一端にすぎない。彼女の強さと知性、楽天的な姿勢は、ディズニーの古典的なおとぎ話に新たな喜びを発見する上で不可欠なものになるだろう」と語っている。
王子や7人のこびとたちの配役にも注目が集まりそうだ。