解散寸前「負け犬」アイドル、ブレイブ・ガールズの一発逆転劇に韓国の若者が大熱狂
Victory of the Underdog
2月に投稿された動画のワンシーン YouTube
<不遇の10年を経て、兵士たちの支持で突然ブレイクしたK-POPアイドル「ブレイブ・ガールズ」のサクセスストーリーが若者に勇気を与える>
韓国のガールズグループ、ブレイブ・ガールズは今年初め解散寸前まで追い込まれていた。生き馬の目を抜くKポップ界で10年頑張ってきた。メンバーの脱退や入れ替えもあった。それでもめげずにビッグになる夢を追い掛けてきたが、現メンバーの4人はもう限界だった。やめようよ、もう諦めよう......。
そう思っていた矢先、奇跡が起きた。ほぼ一夜にしてチャートのトップに躍り出たのだ。以前に出した楽曲を紹介した動画がバズったおかげだ。
4人は2017年に出したミニアルバム『ローリン』を引っ提げて駐屯地を回り、若い兵士たちのために歌い踊っていた。当時の映像を編集したコンピレーション動画が今年2月23日、YouTubeに投稿されたのだ。動画に付いたテロップがさまざまな感想を伝えていた。大半は軍隊内では彼女たちの歌が大人気だったと語る元兵士たちの証言だ。
この動画は急速に拡散され、ストリーミング配信でアルバムのタイトル曲を聴く人が急増。3月14日にはこの楽曲が音楽番組で初めて1位を獲得した。デビューから10年目にしてやっと成し遂げた快挙だった。ブレイクのきっかけとなった動画は今や再生回数1750万回を突破している。
奇跡のサクセスストーリーは話題を呼び、4人は今やテレビやCMに引っ張りだこだ。
先輩兵士が新兵に伝授
ブームを支えたのは徴兵された兵士や元兵士たち。慰問ライブを続けてきた努力が実を結び、彼女たちは「ミルボード(ビルボードとミリタリーを合わせた造語)チャートでは1位」と言われるほど、兵士たちに支持されてきた。4人はインタビューでもたびたび動画の投稿者と兵士たちに感謝の言葉を述べている。
徴兵された兵士たちの間では、先輩兵士が新兵にこの歌とダンスの振り付けを教えることが一種の伝統になっていた。ある元兵士は「マジ、この歌は軍隊生活の中で一服の清涼剤だった」とコメントしている。
ブレイブ・ガールズのサクセスストーリーは兵士たちに限らず、幅広い若者たちの心をつかんだ。とりわけ共感を呼んだのは彼女たちが「負け犬」だったこと。10年も下積みの苦労を重ねてようやく成功した──そんな物語に若者たちは希望を見いだした。