最新記事

テレビ

「ゴスペルの女王」マヘリア・ジャクソン...キング牧師と歩んだ激動の人生を演じて

Born to Play Mahalia Jackson

2021年04月20日(火)19時09分
H・アラン・スコット
マヘリア・ジャクソン

ゴスペルの女王マヘリア・ジャクソン MICHAEL OCHS ARCHIVES/GETTY IMAGES

<歌手マヘリア・ジャクソンの生涯を再現した女優ダニエル・ブルックスに、撮影の裏側を聞く>

女優ダニエル・ブルックスは、ゴスペルの女王マヘリア・ジャクソンを演じる準備をかなり前に始めていた。それが米ケーブル局ライフタイムで4月3日に放映された映画『ロビン・ロバーツ・プレゼンツ─マヘリア』での演技として実を結んだ。

「台本を読む前から、意識的に本を読んだり動画を見たりしていた。準備をするための準備みたいなことをしておきたかった」と、彼女は言う。

ケニー・レオン監督の『マヘリア』はジャクソンの商業的な成功から、公民権運動が最高潮に達した1963年のワシントン大行進でマーチン・ルーサー・キング牧師と共に果たした役割に至るまで、彼女の人生をつぶさに描いた。

「マーチン(キング牧師)が黒人女性の声に耳を傾けたことは最高だった。彼とマヘリアの関係はほとんど注目されないけれど、いつも素晴らしいと思っていた」

『マヘリア』で大役を射止めたのは、ネットフリックスの人気作『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』でブレイクしたおかげだと思っている。「演じることの価値はお金だけでは計れないことを教えてくれた作品から羽ばたけたことは誇り」。本誌H・アラン・スコットが話を聞いた。

210420p62br_01.jpg

出産後4カ月で撮影に挑んだブルックス STEPHANIE DIANI


──伝説的な歌手を演じるために、どんな準備を?
どんなふうにやっても、いろいろ言われる。やれることをやって、神が与えてくれたものを信じようと思った。

──出産後わずか4カ月で撮影に臨んだが。
素晴らしいベビーシッターに来てもらっているけど、24時間お願いするわけにはいかない。夜11 時に家に帰り、朝4時に起きて、その日のせりふを確認し、6時か7時に迎えの車に乗って、あとはずっと撮影。

──マヘリアの歌唱をまねるのは難しかった?
アトランタで1週間、音楽監督と一緒に撮った。監督のケニーは褒めてくれたけど、私は納得いかなくて「(当時を知る)お母さんに確認して」って感じで。

そうしたら本当にケニーのお母さんに録音を聴いてもらうことになった。お母さんは一言、「これがマヘリア?」。そんなわけで、またやり直し。

──マヘリアの人生と、最近のBLM(ブラック・ライブズ・マター=黒人の命は大事)運動の間に共通点はある?
50〜60年代と現在の運動は、怖いほど似ている。マヘリアを演じたことは、私にとって大きな意味がある。娘はいつかマヘリアのことを知るだろうけど、それが母親を通じてかもしれないのだから。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米中古住宅販売、10月は3.4%増の396万戸 

ビジネス

貿易分断化、世界経済の生産に「相当な」損失=ECB

ビジネス

米新規失業保険申請は6000件減の21.3万件、4

ビジネス

ECB、12月にも利下げ余地 段階的な緩和必要=キ
あわせて読みたい

RANKING

  • 1

    【ヨルダン王室】生後3カ月のイマン王女、早くもサッ…

  • 2

    【ヨルダン王室】世界がうっとり、ラジワ皇太子妃の…

  • 3

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 4

    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…

  • 5

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃が妊娠発表後、初めて公の場…

  • 1

    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…

  • 2

    【ヨルダン王室】生後3カ月のイマン王女、早くもサッ…

  • 3

    キャサリン妃が「涙ぐむ姿」が話題に...今年初めて「…

  • 4

    アジア系男性は「恋愛の序列の最下層」──リアルもオ…

  • 5

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 1

    「家族は見た目も、心も冷たい」と語る、ヘンリー王…

  • 2

    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…

  • 3

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃が出産後初めて公の場へ...…

  • 4

    カミラ王妃はなぜ、いきなり泣き出したのか?...「笑…

  • 5

    キャサリン妃が「大胆な質問」に爆笑する姿が話題に.…

MAGAZINE

LATEST ISSUE

特集:超解説 トランプ2.0

特集:超解説 トランプ2.0

2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること