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テレビ「ゴスペルの女王」マヘリア・ジャクソン...キング牧師と歩んだ激動の人生を演じて
Born to Play Mahalia Jackson
ゴスペルの女王マヘリア・ジャクソン MICHAEL OCHS ARCHIVES/GETTY IMAGES
<歌手マヘリア・ジャクソンの生涯を再現した女優ダニエル・ブルックスに、撮影の裏側を聞く>
女優ダニエル・ブルックスは、ゴスペルの女王マヘリア・ジャクソンを演じる準備をかなり前に始めていた。それが米ケーブル局ライフタイムで4月3日に放映された映画『ロビン・ロバーツ・プレゼンツ─マヘリア』での演技として実を結んだ。
「台本を読む前から、意識的に本を読んだり動画を見たりしていた。準備をするための準備みたいなことをしておきたかった」と、彼女は言う。
ケニー・レオン監督の『マヘリア』はジャクソンの商業的な成功から、公民権運動が最高潮に達した1963年のワシントン大行進でマーチン・ルーサー・キング牧師と共に果たした役割に至るまで、彼女の人生をつぶさに描いた。
「マーチン(キング牧師)が黒人女性の声に耳を傾けたことは最高だった。彼とマヘリアの関係はほとんど注目されないけれど、いつも素晴らしいと思っていた」
『マヘリア』で大役を射止めたのは、ネットフリックスの人気作『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』でブレイクしたおかげだと思っている。「演じることの価値はお金だけでは計れないことを教えてくれた作品から羽ばたけたことは誇り」。本誌H・アラン・スコットが話を聞いた。
──伝説的な歌手を演じるために、どんな準備を?
どんなふうにやっても、いろいろ言われる。やれることをやって、神が与えてくれたものを信じようと思った。
──出産後わずか4カ月で撮影に臨んだが。
素晴らしいベビーシッターに来てもらっているけど、24時間お願いするわけにはいかない。夜11 時に家に帰り、朝4時に起きて、その日のせりふを確認し、6時か7時に迎えの車に乗って、あとはずっと撮影。
──マヘリアの歌唱をまねるのは難しかった?
アトランタで1週間、音楽監督と一緒に撮った。監督のケニーは褒めてくれたけど、私は納得いかなくて「(当時を知る)お母さんに確認して」って感じで。
そうしたら本当にケニーのお母さんに録音を聴いてもらうことになった。お母さんは一言、「これがマヘリア?」。そんなわけで、またやり直し。
──マヘリアの人生と、最近のBLM(ブラック・ライブズ・マター=黒人の命は大事)運動の間に共通点はある?
50〜60年代と現在の運動は、怖いほど似ている。マヘリアを演じたことは、私にとって大きな意味がある。娘はいつかマヘリアのことを知るだろうけど、それが母親を通じてかもしれないのだから。