普通家庭の子どもを「国産バイリンガル」に育てるベストな方法は?
「超簡単で短い本」からスタートする
英語のリーディングと聞くと、分厚いペーパーバックを読む「厳しい修行」を連想するかもしれませんが、子どものリーディング練習は「超簡単で短い本」からスタートします。1ページに英文が1〜2行、全体で8〜16ページ程度の薄い本で、各ページにイラストが含まれていることがポイントです。
移民の国アメリカでは、家庭で英語以外の言語を話す子どもが無理なくリーディング力を身につけられるように、単語数、単語の難易度、文法の難易度などの読書レベルが細かく分類された短い本(Guided ReadersやLeveled Booksと呼ぶ)が開発・販売されています。
これらのレベル分けされた「超簡単で短い本」を活用することで、英語を第二言語で学ぶ子どもでも、自分の力でリーディング力を伸ばしていくことができるのです。習熟度に合わせて少しずつ本の難易度を上げていけば、やがてどの子もネイティブレベルの本が読めるようになります。
最後に「英語の本を読むだけでは正しい発音が身につかないのでは?」と疑問に思った方へお答えします。
今はネイティブと対話しなくても正しい発音をインターネットで学ぶことができます。YouTubeでは「無料で」フォニックスやサイトワーズのレッスン動画を視聴できます。また「超簡単な本」の朗読動画もたくさんアップされています。さらにオンライン辞書で単語の発音や意味を確認できます。これらを活用すればネイティブ発音で英語の本を読む力を身につけることができます。
[執筆者]
船津徹
TLC for Kids代表。明治大学経営学部卒業後、金融会社勤務を経て幼児教育の権威、七田眞氏に師事。2001年ハワイにてグローバル人材育成を行なう学習塾TLC for Kidsを開設。2015年カリフォルニア校、2017年上海校開設。これまでに4500名以上のバイリンガル育成に携わる。著書に『世界標準の子育て』(ダイヤモンド社)『世界で活躍する子の英語力の育て方』(大和書房)がある。