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アメリカ社会キャビンアテンダントに高齢化注意報
アメリカでは約30年で14歳アップ、不況が続けば今後さらに上昇する可能性も
見えない壁 女性のキャビンアテンダントの収入レベルは男性の同僚より低くなった Eric Miller-Reuters
こんな豆知識を1つ。アメリカでキャビンアテンダント(客室乗務員)の年齢が上がっている。テキサスA&M大学の研究者2人の調査によると、1980年から2007年の間に、キャビンアテンダントの年齢の中央値は30歳から44歳に上昇した。
アメリカで公民権関連の法律が整備されて年齢や性別、人種による雇用差別が違法となったのは60年代。航空業界は昔から若くてスリムで魅力的な未婚女性を雇いたがる傾向があったが、同法の制定を機にそんな考えは捨てなければならなくなった(当時は体重や未婚の規定もあった)。
その後、航空業界には一時解雇や雇用抑制の嵐が吹き荒れ、しばしば勤続年数の少ない若い客室乗務員が真っ先に解雇の対象となった。
キャビンアテンダントの年齢上昇は極端な例ではあるが、労働者の高齢化はアメリカのどんな職場にも共通する傾向だ。アメリカの労働人口の年齢の中央値は、1980年から2007年の間に6歳上昇した。
キャビンアテンダントの人種は多様化し、男性も増えてきたが、時給の中央値は1980年から2007年の間に26%下がった。一方で、根強く残る女性差別も見え隠れしはじめた。かつて女性アテンダントの収入は同僚の男性アテンダントを上回っていたが(おそらく勤続年数が長いため)、現在では女性アテンダントの収入の方がわずかに低い。
未曾有の経済危機が続くなか、キャビンアテンダントの年齢層は今後さらに上がるだろう。パイロットや整備士も同様だ(パイロットは6歳、整備士は4歳、年齢の中央値が上がった)。定年を先延ばしにする労働者が増えるにつれて、さらに高齢化が進むかもしれないし、そうなれば健康保険などの負担が航空業界に重くのしかかる。
となると、ブリトニー・スピアーズがヒット曲「トキシック」のプロモーション・ビデオで扮したような近未来のセクシーなアテンダントは、おそらくお目にかかれないだろう。