最新記事

テクノロジー

水害対策だけじゃない? 調節池は平常時にどう活用されているのか

2022年7月27日(水)11時30分
※TOKYO UPDATESより転載

調節池などの設置が進んだことで、浸水被害は着実に減少した。しかし、令和元年東日本台風(第19号)では、記録的な豪雨により、都内の7河川が溢水し、浸水被害が発生した。

さらに、日本全国に目を向けると、岡山県や熊本県に甚大な被害を与えた水害も記憶に新しい。水害は、いつどこで起きてもおかしくはないのだ。被害を防ぐためにも、東京都では水害対策を重要課題のひとつとして、さまざまな取り組みを推進している。

エンタメ要素を持たせて調節池の認知度アップへ

東京都は令和元年より、地下トンネル式の「神田川・環状七号線地下調節池」の施設内をめぐる、インフラツアーをスタート。当初は、施設の設置予定地付近の住民をはじめ都民へ向けて、調節池の必要性とその効果について理解を促すために始まった取り組みだったが、近年流行している「大人の工場見学」のひとつとして、思わぬ話題を呼んだ。

現在、ツアーは一時中止となっているが、東京都建設局河川部計画課長の小田中光氏によると、「神田川・環状七号線地下調節池は、コロナ前はインフラツアーを含め年間約6000人を超える見学者がある人気の施設でした」という。

インフラツアーと同時にスタートしたのが、「IKEカード」だ。ダムカード同様、訪れた調節池等で1枚ずつ無料配布されており、該当する調節池の特徴などが記載されている。こちらも好評で、SNS等で入手報告が多数見られたという。

東京都は、ただ調節池を設置しているだけではない。インフラツアーやIKEカードなどのエンタメ要素を含んだ取り組みにも力を入れ、調節池の必要性や防災意識の向上に取り組んでいる。こういった地道な活動が、東京に住む人々の意識を変え、行動を変えることにつながるのだろう。

取材・文/安倍季実子 写真提供/東京都建設局河川部

※当記事は「TOKYO UPDATES」からの転載記事です。
logo_tokyoupdates.png

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米耐久財コア受注、12月は0.6%増 出荷も堅調

ビジネス

米一戸建て住宅着工、12月は4.1%増 許可件数は

ワールド

NEC委員長、米国民が関税負担とのNY連銀報告書を

ワールド

高市首相、消費減税「時間かけるつもりない」 市場の
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
2026年2月24日号(2/17発売)

帰還兵の暴力、ドローンの攻撃、止まらないインフレ。国民は疲弊しプーチンの足元も揺らぐ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ポーランドが「核武装」に意欲、NATO諸国も米国の核の傘を信用できず
  • 2
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」の写真がSNSで話題に、見分け方「ABCDEルール」とは?
  • 3
    生き返ったワグネルの「影」、NATO内部に浸透か
  • 4
    ウクライナ戦争が180度変えた「軍事戦略」の在り方..…
  • 5
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活…
  • 6
    川崎が「次世代都市モデルの世界的ベンチマーク」に─…
  • 7
    なぜ「あと1レップ」が筋肉を壊すのか...「高速パワ…
  • 8
    【銘柄】マイクロソフトの株価が暴落...「AI懸念」で…
  • 9
    アフガニスタンで「対中テロ」拡大...一帯一路が直面…
  • 10
    極超音速ミサイルが通常戦力化する世界では、グリー…
  • 1
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発される中国のスパイ、今度はギリシャで御用
  • 4
    【銘柄】マイクロソフトの株価が暴落...「AI懸念」で…
  • 5
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活…
  • 6
    なぜ「あと1レップ」が筋肉を壊すのか...「高速パワ…
  • 7
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 8
    「目のやり場に困る...」アカデミー会場を席巻したス…
  • 9
    オートミール中心の食事がメタボ解消の特効薬に
  • 10
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 6
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 7
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 8
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中