処方薬で治らなかったうつ病 7年苦しんだ精神科医を救ったシンプルな方法とは?
「うつ抜けできた食事法」3つのポイント
うつと食事。一見、関連があるように思えませんが、私たちの体は食べたものでつくられていて、食べることで生命活動を維持しています。心の動きや脳の活動も、もちろん食べることによって支えられています。考えてみると、うつと食事に関連がないわけがないのです。
きっかけを与えてくれたのは、アメリカの経営コンサルタントであるジェームス・スキナー氏の『成功の9ステップ』という成功哲学の本の中で紹介されていた「ナチュラルハイジーン」という食事法です。そしてもう一つ、故・甲田光雄先生(元大阪大学医学部非常勤講師、甲田医院院長)が考案した「西式甲田療法」という健康法です。
これらを参考に考案した食事法のポイントは3つです。
①体に負担をかけない食事を心がける
②腸内環境を整える食事を心がける
③脳に栄養を与える食事を心がける
「体に負担をかけない食事」とは...
実は食事は「体を疲れさせる」行為なのです。
私たちの体は食べ物から栄養をとり、それを活動エネルギーに換えています。食事でエネルギーを補強するのだから、一見して疲れが吹き飛ぶように思えます。しかし、栄養を行き渡らせるには消化吸収が必要です。その前には、食べ物の分解もしなければなりません。つまり、食べることは胃腸や肝臓など消化器官に負担をかける行為でもあるのです。
体は、胃腸や肝臓に頑張って働いてもらうために、大量の血液を送らなければなりません。それと同時に、消化酵素など、大量の体内酵素も動員されます。酵素は栄養の消化吸収、そして分解とすべてにわたって必要な体内物質だからです。消化吸収の担い手は、この酵素といってもいいと思います。
食べることは消化器官からすれば一大イベントで、かなりの活動エネルギーを必要となります。だから、食べているときより、実は食べた後のほうが疲れます。一説によれば、三度の食事はフルマラソンに匹敵する消費カロリーともいわれます。毎日フルマラソンを走ると考えると、それは当然疲れますよね。
「生野菜と果物中心の食生活」の意外な効果
そこで私が実践したのが、「生野菜と果物中心の食生活」でした。野菜はとにかく、生で食べました。というより、野菜は「生でかじる」感覚です。普通は加熱して調理するごぼうでも、生でガリガリ食べました。果物も、バナナ、リンゴ、オレンジ、キウイなど、なんでもよいのです。
生の食べ物には酵素が含まれています。そのため、生の食べ物を食べると酵素を補うことになり、胃腸は援軍を得て重労働から解放されます。胃腸への負担が軽くなるというわけです。すると、体があまり疲れなくなります。
疲れなくなると動くのが億劫でなくなります。体が身軽な感じです。体が疲れていないので、動作を起こすことが面倒でなくなります。ですから、人に何か頼まれても「いいですよ」と気軽に応えられてしまう。
そこまでではなくとも、イライラすることが少なくなり、食後もスムーズに仕事に移れます。イライラが少なくなれば、人との衝突も減るでしょうし、人間関係にもよい影響が出てきます。それが、うつの原因となるストレスを減らすことにつながります。