最新記事
ヘルス

処方薬で治らなかったうつ病 7年苦しんだ精神科医を救ったシンプルな方法とは?

2023年8月25日(金)18時25分
宮島賢也(精神科医・産業医) *PRESIDENT Onlineからの転載

「うつ抜けできた食事法」3つのポイント

うつと食事。一見、関連があるように思えませんが、私たちの体は食べたものでつくられていて、食べることで生命活動を維持しています。心の動きや脳の活動も、もちろん食べることによって支えられています。考えてみると、うつと食事に関連がないわけがないのです。

きっかけを与えてくれたのは、アメリカの経営コンサルタントであるジェームス・スキナー氏の『成功の9ステップ』という成功哲学の本の中で紹介されていた「ナチュラルハイジーン」という食事法です。そしてもう一つ、故・甲田光雄先生(元大阪大学医学部非常勤講師、甲田医院院長)が考案した「西式甲田療法」という健康法です。

これらを参考に考案した食事法のポイントは3つです。


①体に負担をかけない食事を心がける
②腸内環境を整える食事を心がける
③脳に栄養を与える食事を心がける

「体に負担をかけない食事」とは...

実は食事は「体を疲れさせる」行為なのです。

私たちの体は食べ物から栄養をとり、それを活動エネルギーに換えています。食事でエネルギーを補強するのだから、一見して疲れが吹き飛ぶように思えます。しかし、栄養を行き渡らせるには消化吸収が必要です。その前には、食べ物の分解もしなければなりません。つまり、食べることは胃腸や肝臓など消化器官に負担をかける行為でもあるのです。

体は、胃腸や肝臓に頑張って働いてもらうために、大量の血液を送らなければなりません。それと同時に、消化酵素など、大量の体内酵素も動員されます。酵素は栄養の消化吸収、そして分解とすべてにわたって必要な体内物質だからです。消化吸収の担い手は、この酵素といってもいいと思います。

食べることは消化器官からすれば一大イベントで、かなりの活動エネルギーを必要となります。だから、食べているときより、実は食べた後のほうが疲れます。一説によれば、三度の食事はフルマラソンに匹敵する消費カロリーともいわれます。毎日フルマラソンを走ると考えると、それは当然疲れますよね。

「生野菜と果物中心の食生活」の意外な効果

そこで私が実践したのが、「生野菜と果物中心の食生活」でした。野菜はとにかく、生で食べました。というより、野菜は「生でかじる」感覚です。普通は加熱して調理するごぼうでも、生でガリガリ食べました。果物も、バナナ、リンゴ、オレンジ、キウイなど、なんでもよいのです。

生の食べ物には酵素が含まれています。そのため、生の食べ物を食べると酵素を補うことになり、胃腸は援軍を得て重労働から解放されます。胃腸への負担が軽くなるというわけです。すると、体があまり疲れなくなります。

疲れなくなると動くのが億劫でなくなります。体が身軽な感じです。体が疲れていないので、動作を起こすことが面倒でなくなります。ですから、人に何か頼まれても「いいですよ」と気軽に応えられてしまう。

そこまでではなくとも、イライラすることが少なくなり、食後もスムーズに仕事に移れます。イライラが少なくなれば、人との衝突も減るでしょうし、人間関係にもよい影響が出てきます。それが、うつの原因となるストレスを減らすことにつながります。

ビジネス
「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野紗季子が明かす「愛されるブランド」の作り方
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

独大統領、トランプ米大統領の外交政策が世界秩序崩壊

ワールド

トランプ氏、中国が台湾で何をするかは習主席「次第」

ワールド

ゼレンスキー氏、ウクライナ南東部への攻撃非難 「破

ワールド

トランプ氏顧問、デンマーク・ グリーンランド特使と
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:AI兵士の新しい戦争
特集:AI兵士の新しい戦争
2026年1月13日号(1/ 6発売)

ヒューマノイド・ロボット「ファントムMK1」がアメリカの戦場と戦争をこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 3
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 4
    次々に船に降り立つ兵士たち...米南方軍が「影の船団…
  • 5
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 6
    ベネズエラの二の舞を恐れイランの最高指導者ハメネ…
  • 7
    トランプがベネズエラで大幅に書き換えた「モンロー…
  • 8
    「グリーンランドにはロシアと中国の船がうじゃうじ…
  • 9
    マドゥロ拘束作戦で暗躍した偵察機「RQ-170」...米空…
  • 10
    「ショックすぎる...」眉毛サロンで「衝撃的な大失敗…
  • 1
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチン、その先は袋小路か
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 3
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 4
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 5
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 6
    眠る筋力を覚醒させる技術「ブレーシング」とは?...…
  • 7
    中国軍の挑発に口を閉ざす韓国軍の危うい実態 「沈黙…
  • 8
    次々に船に降り立つ兵士たち...米南方軍が「影の船団…
  • 9
    ベネズエラの二の舞を恐れイランの最高指導者ハメネ…
  • 10
    アメリカ、中国に台湾圧力停止を求める
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 6
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 7
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 8
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 9
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
  • 10
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中