最新記事

映画

ホラー映画の「怖さスケール」を独自開発!新作映画の怖さを測定すると...

Scarier Than the Original?

2021年6月18日(金)11時48分
サ ム・アダムズ(スレート誌映画担当)
『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』

ブラント(中央)が演じる母親と子供たちはエイリアンたちに勘づかれないように音を立てずに過ごす ©2019 PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.

<6月18日に日本公開の新作『クワイエット・プレイス』のパート2を、『JAWS/ジョーズ』など過去の名作と比較してみると>

ホラー映画の熱いファンなら、作品は怖ければ怖いほどいい。けれども怖がりにとって、怖過ぎる作品はNGだ。

そこで、独自の「ホラー作品恐怖スケール」を作ってみた。名作ホラーとの比較で新作がどれくらい怖いかを10点満点で採点したもので、考慮した要素は3つある。サスペンス、グロさ、そして不気味さだ。

今回採点したのは『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』。ジョン・クラシンスキー監督・脚本・出演の2018年のヒット作『クワイエット・プレイス』の続編だ。

主人公一家(主演のエミリー・ブラント、その夫を演じるクラシンスキーと子供たち)の生き残りメンバーは、今作でも聴覚が鋭敏なエイリアンたちに襲われる。人類の大部分はこの宇宙人たちによって、前作より前に滅ぼされたという設定だ。

210615p52_sc02.jpg

「クワイエット・プレイス」シリーズの主要な要素はサスペンス。人間たちが誤って音を立て、エイリアンに見つかるかどうかという極度の緊張感が、物語に推進力を生んでいる。

続編では観客が作品世界になじんだため、この緊張感がいくらか薄れたように思える。でも過去にさかのぼってエイリアンの地球襲来時を描いた冒頭シーンでは、前作の閉所恐怖症的な怖さとは全く別のカオス的恐怖が全開。誰が生き残るか分かっていても、ハラハラすること請け合いだ。

210615p52_sc03.jpg

シリーズを通じて流血、つまりグロさは控えめ。ただしクラシンスキーは、傷ついた足に妙なこだわりがあるようだ。第1作ではブラントが踏んだくぎが足を貫通するし、今回もある人物が熊用の罠に足首を挟まれる。露骨過ぎる場面はないが、深い傷の描写が苦手な人は注意が必要だ。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

日中双方と協力可能、バランス取る必要=米国務長官

ビジネス

マスク氏のテスラ巨額報酬復活、デラウェア州最高裁が

ワールド

米、シリアでIS拠点に大規模空爆 米兵士殺害に報復

ワールド

エプスタイン文書公開、クリントン元大統領の写真など
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦い」...ドラマ化に漕ぎ着けるための「2つの秘策」とは?
  • 2
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリーズが直面した「思いがけない批判」とは?
  • 3
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジアの宝石」の終焉
  • 4
    中国最強空母「福建」の台湾海峡通過は、第一列島線…
  • 5
    「何度でも見ちゃう...」ビリー・アイリッシュ、自身…
  • 6
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 7
    70%の大学生が「孤独」、問題は高齢者より深刻...物…
  • 8
    ロシア、北朝鮮兵への報酬「不払い」疑惑...金正恩が…
  • 9
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 10
    ウクライナ軍ドローン、クリミアのロシア空軍基地に…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 5
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 6
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 9
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 10
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 8
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中