最新記事

韓国ドラマ

『応答せよ』名コンビが手掛ける韓国ドラマ『賢い医師生活』、一番の特徴は「キャスティング力」

2021年4月30日(金)18時40分
佐藤 結
韓国ドラマ『賢い医師生活』

『賢い医師生活』Netflix独占配信中

<医師である親友5人組と、同僚や患者たちが織り成す病院ヒューマンドラマ。韓国ドラマの新境地を開いたシン・ウォンホ監督は、俳優を個性に合った役柄で起用する。今作では、脳神経外科医を演じたドラマ初出演の女性俳優に注目だ>

1980年代から90年代という近い過去を生きた若者たちの姿を、当時のカルチャーをたっぷり盛り込んで再現した青春ドラマ『応答せよ』シリーズ(2012~15年)。

『賢い医師生活』は、この斬新な作品によって韓国ドラマの新境地を開いたシン・ウォンホ監督と脚本家のイ・ウジョンが手掛けたヒューマンドラマだ。

210504P34_2Jo_Jung-seok_P38_04.jpg

『賢い医師生活』Netflix独占配信中

『応答せよ』シリーズで高校生や大学生、続く『刑務所のルールブック』(2017年)では刑務所の服役囚たちと、親密な関係にある人々の人間模様を描いてきたシン監督が新たな舞台として選んだのは、総合病院だ。

それぞれ違う専門を持つ医師である親友5人組と同僚や患者たちの物語が、シットコムのようなとぼけた笑いを交えながらつづられていく。

210504P34_3Yoo_Yeon-seok_P38_03.jpg

『賢い医師生活』Netflix独占配信中

同期で大学に入学し、現在は優秀な医師として働く肝胆膵外科医イクジュン(チョ・ジョンソク)、小児外科医ジョンウォン(ユ・ヨンソク)、胸部外科医ジュンワン(チョン・ギョンホ)、産婦人科医ソッキョン(キム・デミョン)、脳神経外科医ソンファ(チョン・ミド)。

ユルジェ病院を経営する財団会長の息子ジョンウォンは、父の死後、VIP病棟の担当医としてこの友人たちを呼び集める。働き盛りの彼らには満足に休む時間もないが、食事やバンド活動を共にしながら忙しい日々を過ごしていく。

210504P34_4Jung_Kyung-ho_P38_05.jpg

『賢い医師生活』Netflix独占配信中

バラエティー番組からドラマへと活動の場所を移したシン監督が作るドラマの一番の特徴は、新人や実力派俳優を個性に合った役柄で起用し、魅力を引き出すキャスティング力だ。

『応答せよ1997』では歌手出身のソ・イングクとチョン・ウンジ(Apink)、『応答せよ1994』ではチョンウとユ・ヨンソク、『恋のスケッチ~応答せよ1988~』では、パク・ボゴムやリュ・ジュンヨルがスターの仲間入りを果たした。

210504P34_5Kim_Dae-Myung_P38_01.jpg

『賢い医師生活』Netflix独占配信中

『賢い医師生活』ではチョ・ジョンソクやユ・ヨンソクら、既に実績のある男性俳優たちと共に、5人の中心となる女性ソンファ役で、ドラマ初出演のチョン・ミドを起用。舞台での経験豊かな彼女が、「欠点がないのが欠点」と言われる完璧なキャラクターを自然体で演じている。

210504P34_6band_P38_06.jpg

『賢い医師生活』Netflix独占配信中

シン監督のドラマに共通しているのは、人間に対する全幅の信頼だろう。突然、不幸な出来事に見舞われたり、立ち直れないほど悔しい思いをしたりしても、あなたの周りには手を差し伸べてくれる人がきっといる──そんな温かなメッセージが、どのドラマからも感じられる。

当初からシーズン制を念頭に置いて制作された『賢い医師生活』は、今年中にシーズン2の放送が予定されている。

『賢い医師生活』(2020~)
出演/チョ・ジョンソク、ユ・ヨンソク、チョン・ミド
Netflix独占配信中

(※韓国を飛び出し、世界で支持を広げ続ける「進撃の韓流」――本誌5月4日/11日号「韓国ドラマ&映画50」特集より。本誌では、さまざまなジャンルの注目ドラマ20作品を取り上げています)

202104_kiji_k-dramamovie_campaignbanner.jpg

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

マスク氏のチャットボット、反ユダヤ主義的との苦情受

ワールド

ロイターネクスト:シンガポール、中国・米国・欧州と

ビジネス

日経平均は続伸、円安が支え 指数の方向感は乏しい

ビジネス

イオンが決算発表を31日に延期、イオンFSのベトナ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:大森元貴「言葉の力」
特集:大森元貴「言葉の力」
2025年7月15日号(7/ 8発売)

時代を映すアーティスト・大森元貴の「言葉の力」の源泉にロングインタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...APB「乗っ取り」騒動、日本に欠けていたものは?
  • 2
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 3
    トランプ関税と財政の無茶ぶりに投資家もうんざり、「強いドルは終わった」
  • 4
    「ヒラリーに似すぎ」なトランプ像...ディズニー・ワ…
  • 5
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 6
    犯罪者に狙われる家の「共通点」とは? 広域強盗事…
  • 7
    自由都市・香港から抗議の声が消えた...入港した中国…
  • 8
    人種から体型、言語まで...実は『ハリー・ポッター』…
  • 9
    名古屋が中国からのフェンタニル密輸の中継拠点に?…
  • 10
    「けしからん」の応酬が参政党躍進の主因に? 既成…
  • 1
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 2
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコに1400万人が注目
  • 3
    後ろの川に...婚約成立シーンを記録したカップルの幸せ映像に「それどころじゃない光景」が映り込んでしまう
  • 4
    職場でのいじめ・パワハラで自死に追いやられた21歳…
  • 5
    【クイズ】「宗教を捨てる人」が最も多い宗教はどれ?
  • 6
    為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 …
  • 7
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...AP…
  • 8
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、…
  • 9
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 10
    「本物の強さは、股関節と脚に宿る」...伝説の「元囚…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 4
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 5
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 6
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 7
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 8
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 9
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 10
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中