最新記事

株の基礎知識

初心者が知らない、株価の「底」の見分け方

2022年8月8日(月)16時05分
網代奈都子 ※かぶまどより転載
株価の底

SIphotography-iStock.

<プロでも実は分からない。でもプロのトレーダーは、暴落相場でも大きな利益を上げられる。その秘訣はどこにあるのか>

次なる底はいつ? プロでも底はわからない

誰だって、底値で買って天井で売ってウハウハしたい! でも、本当に底で買えるなら誰も苦労はしないのです。ここが底だ!と思って買ったら全然底ではなく、むしろ「奈落の入り口」だったりして、コロナ相場でも痛い目を見た人は多いのではないでしょうか。

そんな中、まるで「底」を知っているかのように、暴落相場でも大きな利益をあげるのがプロのトレーダーたち。彼らは「底」をどう判断しているのか、実際のチャートを使って教えてもらいました。

──ズバリ、次の「底」はいつ来るのでしょうか?

トレーダーK氏:まず最初に重要な教訓として「底がどこかなんて誰にもわからない」ということを理解してください。

コロナショック時の日経平均株価で見てみましょう。例えば2020年2月28日~3月5日は、それまでの下落から「底っぽい」形状になっていますよね。

kabumado20220808soko-chart1.png

そこで「底かな?」と思ったら、その後さらに落ちていってしまっています。20,000円を切り、18,000円を切り、あれよあれよと言う間に3月19日には16,358円まで下落しました。

でも、3月19日の時点で「ここが底だ!」とわかっていた人は、どこにもいません。もちろん、プロトレーダーだって同じです。株価が戻った時点で、「どうやら3月19日の頃が底だったらしいな」とわかるに過ぎないんです。

当然、次の底がいつ来るか、それがいくらになるのかも、誰にもわかりません。

よく「あのタイミングが底だった。あのとき買っておけばよかった(涙)」と悔しがる人がいますが、そもそも、底とわかって買うことなんてできないのです。それに、株価が上がったから悔しいのであって、「もっと下がった! 買わなくてラッキー!」となったケースだってあるはずです。

「逃した魚は大きい」と言われるように、悩んで買わなかった後で株価が上がったときには、悔しくてつい何度も見返してしまうから、余計に強い印象が残るのかもしれません。それよりも、買わずに損を免れたケースをちゃんと振り返ったら、自分の幸運をかみしめられるはずなんですが。

底は過去の底に倣え。プロが見るのは「前回安値」

──そうは言っても、何かいい目安はないものでしょうか?

トレーダーK氏:相場に関わる人間が注視している数値については言えます。それは「前回安値」

このチャートで言うと、2020年4月3日が前回安値です。

kabumado20220808soko-chart2.png

(参考記事)株式投資で「絶対に損しない」たったひとつの方法

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

ロシア、中距離弾でウクライナ攻撃 西側供与の長距離

ビジネス

FRBのQT継続に問題なし、準備預金残高なお「潤沢

ワールド

イスラエル首相らに逮捕状、ICC ガザで戦争犯罪容

ビジネス

貿易分断化、世界経済の生産に「相当な」損失=ECB
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対する中国人と日本人の反応が違う
  • 2
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱が抜け落ちたサービスの行く末は?
  • 3
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 4
    【ヨルダン王室】生後3カ月のイマン王女、早くもサッ…
  • 5
    NewJeans生みの親ミン・ヒジン、インスタフォローをす…
  • 6
    元幼稚園教諭の女性兵士がロシアの巡航ミサイル「Kh-…
  • 7
    ウクライナ軍、ロシア領内の兵器庫攻撃に「ATACMSを…
  • 8
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 9
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 10
    若者を追い込む少子化社会、日本・韓国で強まる閉塞感
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査を受けたら...衝撃的な結果に「謎が解けた」
  • 3
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り捨てる」しかない理由
  • 4
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    アインシュタイン理論にズレ? 宇宙膨張が示す新たな…
  • 7
    沖縄ではマーガリンを「バター」と呼び、味噌汁はも…
  • 8
    クルスク州の戦場はロシア兵の「肉挽き機」に...ロシ…
  • 9
    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…
  • 10
    中国富裕層の日本移住が増える訳......日本の医療制…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大きな身体を「丸呑み」する衝撃シーンの撮影に成功
  • 4
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 5
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 6
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 7
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 8
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 9
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
  • 10
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラ…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中