最新記事

モビリティ

ANAが自動車業界参入? トヨタ出資の米社と提携、「空飛ぶタクシー」事業化を推進

2022年2月15日(火)19時03分
米新興企業ジョビー・アビエーションの空飛ぶタクシー

ANAホールディングスは15日、「空飛ぶ車」と呼ばれる電動式の垂直離着陸機を開発する米新興企業ジョビー・アビエーションと業務提携すると発表した。両社は日本における「空飛ぶタクシー」の運航事業展開に向けて検討する。ジョビーにはトヨタ自動車が出資しており、トヨタは乗降場所までの地上送迎サービスを担う。写真はジョビーの空飛ぶタクシー。米ニューヨークで昨年8月撮影(2022年 ロイター/Andrew Kelly)

ANAホールディングスは15日、「空飛ぶ車」と呼ばれる電動式の垂直離着陸機を開発する米新興企業ジョビー・アビエーションと業務提携すると発表した。両社は日本における「空飛ぶタクシー」の運航事業展開に向けて検討する。ジョビーにはトヨタ自動車が出資しており、トヨタは乗降場所までの地上送迎サービスを担う。

ANAは空飛ぶタクシーの運航事業への参入を表明済みで、2025年の国際博覧会(大阪・関西万博)でのサービス実現を目指す方針も示している。ジョビーとの提携により事業化に向けた取り組みを前進させる。ジョビーは24年に米国で空飛ぶ車の運航事業を展開する計画で、海外展開を図るため日本でのパートナーを探していた。

両社は今後、国内大都市圏を中心とした旅客輸送サービスの実現に向け、運航システムの開発やパイロットの訓練、航空管制や離着陸ポートといった地上インフラ整備などを共同で進める。

「空飛ぶ車」は垂直に離着陸し、ヘリコプターやドローン、小型飛行機の要素を併せ持つ電動の機体(eVTOL=イーブイトール)。運用・メンテナンスのコストを抑えつつ、安全性・環境性・静粛性などに優れ、道路渋滞や過疎地の輸送など、さまざまな交通課題を解決できる新たな移動サービスとして注目されている。

ジョビーが開発しているのは、最高速度が時速約320キロ、最大航行距離が約240キロメートルの5人乗りの空飛ぶ車。この機体を使えば、現在は自動車で1時間ほどかかっている大阪駅(大阪市)から関西国際空港(大阪府泉佐野市)までの所要時間を15分以内に短縮できるという。

ジョビーは2009年に設立し、米カリフォルニア州に本社を構える。トヨタは18年に傘下のベンチャーキャピタルを通じてジョビーに資本参加し、20年には3億9400万ドル(発表当時の円換算は約430億円)を出資した。「トヨタ生産方式」のノウハウを提供し、設計・素材・電動化の技術開発に関わり、品質とコストを両立させる機体の量産化を推し進めている。

空飛ぶ車を巡っては、米ボーイング系企業が参入の意向を示しているほか、欧州エアバスや中国などの新興企業も開発に力を入れており、新たな空の移動手段を巡る競争が激しくなりつつある。ホンダも2030年代の実用化を視野に機体開発を進めている。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2022トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・外国人同士が「目配せ」する、日本人には言いづらい「本音」
・中国人富裕層が感じる「日本の観光業」への本音 コロナ禍の今、彼らは何を思うのか
・日本のコロナ療養が羨ましい!無料で大量の食料支援に感動の声
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米12月小売売上高、予想外の伸び悩み 個人消費に減

ワールド

USMCA巡る加との交渉困難に、インドネシアと近く

ビジネス

FRB金利は「中立」水準、当面据え置きの公算=クリ

ビジネス

パラマウント、WBD買収条件引き上げ 違約金など負
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:習近平独裁の未来
特集:習近平独裁の未来
2026年2月17日号(2/10発売)

軍ナンバー2の粛清は強権体制の揺らぎか、「スマート独裁」の強化の始まりか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 2
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...周囲を気にしない「迷惑行為」が撮影される
  • 3
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トランプには追い風
  • 4
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を…
  • 5
    崖が住居の目の前まで迫り、住宅が傾く...シチリア島…
  • 6
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 7
    変わる「JBIC」...2つの「欧州ファンド」で、日本の…
  • 8
    衆院選で吹き荒れた「サナエ旋風」を海外有識者たち…
  • 9
    【銘柄】「ソニーグループ」の株価が上がらない...業…
  • 10
    台湾侵攻を控えるにもかかわらず軍幹部を粛清...世界…
  • 1
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた実験室」に...抗生物質の「不都合」な真実とは
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予…
  • 5
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...…
  • 6
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 7
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染…
  • 8
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    台湾発言、総選挙...高市首相は「イキリ」の連続で日…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 4
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 7
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 8
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
  • 9
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 10
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中