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仮想通貨ビットコイン採掘能力が急低下 一大マイニング拠点カザフフスタンがデモでネット遮断
ビットコインのネットワークの計算能力が今週、世界的に急激に落ち込んでいる。燃料価格引き上げに抗議するデモが拡大し政府が全土に非常事態を宣言した中央アジア・カザフスタンが今、米国に次ぐ世界第2位のビットコイン採掘(マイニング)の拠点に急成長していたためだ。写真はイメージ。昨年10月撮影(2022年 ロイター/Edgar Su)
暗号資産(仮想通貨)ビットコインのネットワークの計算能力が今週、世界的に急激に落ち込んでいる。燃料価格引き上げに抗議するデモが拡大し政府が全土に非常事態を宣言した中央アジア・カザフスタンが今、米国に次ぐ世界第2位のビットコイン採掘(マイニング)の拠点に急成長していたためだ。5日に全土でインターネットが遮断されたことが影響したと指摘されている。
ケンブリッジ・センター・フォー・オルタナティブ・ファイナンスによると、カザフは昨年に採掘量が世界第2位になった。主要な採掘拠点だった中国が国内での採掘活動を取り締まったことが背景だ。
昨年8月時点のビットコインの採掘速度(1秒当たりの計算力)で、カザフは全世界の採掘能力の18%を占めるに至っていた。中国が採掘の取り締まりに着手する前の昨年4月はわずか8%だった。
世界各地ではさまざまな採掘業者がチームを組む形でビットコインを作り出しているが、採掘業者BTCドット・コムのデータによると、アントプールやF2プールを含むこうした主要な採掘業者たちの採掘速度は、6日1215GMTに4日遅くに比べて約14%低下した。
当局の採掘規制も
ネットワークに参加する採掘業者が多いほど、新しいビットコインを採掘するのに必要なコンピューターの電力量も増える。採掘業者がネットワークから脱落して採掘能力が下がれば、理論的には他の採掘業者が新しいビットコインをつくる余地が増えそうなものだ。
カザフスタンの実態は、採掘の電力のほとんどが老朽化した石炭火力発電に頼っている。こうした石炭火力発電自体が、各国・地域当局にとっては経済の脱炭素化を目指す上で頭の痛い存在だ。
カザフ政府は昨年、正規の届け出をしていない採掘業者を取り締まる意向を発表している。こうした業者の消費電力は届け出をした業者の2倍にもなるとみられている。同国エネルギー省は昨年、届け出をしていない業者の電力消費が最大1.2ギガワット時と試算。正規業者では600メガワット時とし、合計で国内発電能力の約8%を消費していると指摘した。
なお、今回はビットコインのこうした採掘能力鈍化も必ずしも価格の強材料にはなっていない。米連邦準備理事会(FRB)がタカ派姿勢を強めているためで、投資家のリスク選好が後退し、6日のビットコインは1ビットコイン=4万3000ドルを割り込んだ。これは数カ月ぶりの安値を試す水準だ。
(Tom Wilson記者)
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