土地価格高騰の韓国、トレンドは「借金して投資」 30代の切実な家計事情
昨年、40歳未満の人が購入した集合住宅は27万2638戸で、前年比77%近く増加。40代の64%と50代の63%よりも高い伸びを示した。30代は収入に対する借金の比率が世代別で一番大きく、債務総額は年間収入の約270%となっているため、重大なリスクにさらされていることが中銀のデータから分かる。
規制強化で住宅ローン停止も
融資ブローカーに聞いたところ、より多くの顧客が金利の高い貸し手に流れている。これは最終的に家計の状況を悪化させ、韓国GDPの半分前後を占める個人消費に打撃を与えるだろう。
大信証券のエコノミスト、コン・ドンラク氏は「銀行が融資を切るとともに、資金を必要とする人々は他の方法を模索する。まず両親に頼り、次いで規制を回避しようと金利の高い貸し手に向かって、最後はより大きなリスクを抱えてしまう」と指摘した。
税制変更や融資規制など数々の対策を打ち出しても不動産投機を抑え込むことができなかった政府は先月、とうとう国民にどうか積極的に借金をするのをやめてほしいと懇願までしている。
そうした中で7月に韓国金融委員会(FSC)は、個人が利用できる銀行融資の上限を収入の40%までに限る規制強化策を実施。債務問題が金融安定を脅かすようなら、さらに規制を厳しくすると表明した。
これに呼応して国内の銀行は融資制限に乗り出している。労働者や農家がよく利用する農協銀行は先週、住宅ローンと敷金向け融資を停止。ウリィ銀行も、9月末まで住宅ローンの新規承認を凍結した。ネット専業のカカオバンクも、融資制限を検討中という。
ただこれらの締め付けにより借り手は、規制対象から外れた高金利の金融業者へと走っている。
スタンダード・チャータード銀行韓国法人の融資担当者は「最高の信用スコアを持つ多くの取引相手はカードローンに移行している。なぜなら私が彼らの融資申請を却下せざるを得なかったからだ」と述べた。
中銀の李柱烈(イ・ジュヨル)総裁は7月、政策委員のほとんどが金融の不均衡問題を優先的に取り組むことに同意しており、政策調整は住宅市場の投機抑制に役立つと発言。またFSCの委員長に決まった高承範(コ・スンボム)氏は先週、家計債務の管理が自身にとって最優先課題だとし、対応を約束した。
もっともパクさんからすれば、融資規制強化は購買力を低下させるという皮肉な構図を生み出す。「家賃も株も何もかも値上がりしている半面、給料は増えない以上、もっと多くの借金をしたい。なぜ政府はこの事実が分からないかが理解できない」という。
(Cynthia Kim記者、Joori Roh記者)
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