最新記事

株式

あまりに簡単すぎてヤバイ!? 株式投資アプリ、ロビンフッド

2021年6月30日(水)08時40分
ウォリックあずみ(映画配給コーディネイター)

アメリカでRobinhoodが人気になったのには、様々な理由があるがこの分りやすさと手軽さに加え、1株から購入可能な点、そして少額からでも購入可能にした点があげられる。

また、Robinhoodは取引手数料を無料にすることで注目を浴びた。そうなると証券アプリ会社としては一体どこから儲けが発生しているのか気になるが、「金融の民主化」を掲げている通り投資をより身近にしたことは間違いない。まったくの素人であり、どちらかというと株に対してネガティブなイメージをもっていた筆者ですら手を出してしまったのだから。

コロナ禍で急増した金融アプリ利用

スマートフォンの普及が広まり、投資をアプリ一つで行う人々は増えている。今年、モバイルデータ統計及び分析プラットフォームApp Annie社が、マーケティングプラットフォームliftoff社と共に発表したデータ「モバイル金融アプリ報告書」によると、2020年世界では46億回も金融アプリがダウンロードされていたそうだ。

46億回と言われても、その回数の多さに圧倒されピンとこないが、これは2019年と比較し15%アップした数字なのだという。更に、驚いたことに使用時間は前年比45%もアップしていた。

各国の使用時間の前年比を見てみると、日本とアメリカは平均を大幅に超えてなんと60%もアップしたそうだ。これはきっと、コロナ感染拡大に伴う全世界的お籠り生活と関係があるように思える。これはまったくの想像だが、家にいる間、スマホを触る機会も増え、さらに経済的に苦しくなった家庭では少しでもお金を増やそうと、投資を始めたという背景もあるのではないだろうか?

韓国は金融アプリ上位を株投資が独占

では、実際にどの金融アプリの使用が多かったのかランキングを見てみよう。使用時間増加率(つまり急上昇ランキング)金融アプリランキングでは、日本はPayPayなどのモバイル決済系アプリが上位を占める中、お隣の国・韓国の結果が驚異的だった。

数あるネットバンキングやクレジットカード、銀行などのアプリを押さえ、1〜5位までをすべて株式取引アプリが占めるという結果になったのだ。熱しやすく冷めやすい国民性をもつ韓国では、今アプリでのお手軽投資に熱狂している人が多いのだろう。

さて、世界でアプリによる投資が盛んになっている事実もよくわかった。多くの人々が携帯ひとつでお金を動かしていることを知り、気持ちを後押ししてくれた。

何よりも、実際にRobinhoodのアプリをインストールし、携帯に緑の羽マークのアプリが登場しただけなのだが、映画館オーナーという夢への長い階段の一段目を上がったような高揚感を感じられた。

しかし、お金はお金である。投資した分の見返りを求めてしまうのが人間だ。自分の所有する株が、ある日突然何十倍何百倍も跳ね上がり、大儲け!なんて夢物語は望んでいないが、世間には「株式優待」というシステムがあるではないか。

もしも、Robinhoodで株を買ったら、株式優待でAMC映画館のフリーチケットが貰えたりするのだろうか? その他の映画会社は? ネット配信会社は? 日本の映画会社はどんな優待があるのだろう? 次回はこの辺りを中心に探っていこうと思う。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中国万科、償還延期拒否で18日に再び債権者会合 猶

ワールド

タイ、2月8日に総選挙 選管が発表

ワールド

フィリピン、中国に抗議へ 南シナ海で漁師負傷

ビジネス

ユーロ圏鉱工業生産、10月は前月比・前年比とも伸び
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の展望。本当にトンネルは抜けたのか?
  • 2
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジアの宝石」の終焉
  • 3
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 4
    極限の筋力をつくる2つの技術とは?...真の力は「前…
  • 5
    南京事件を描いた映画「南京写真館」を皮肉るスラン…
  • 6
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 7
    トランプが日中の「喧嘩」に口を挟まないもっともな…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    大成功の東京デフリンピックが、日本人をこう変えた
  • 10
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 3
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の脅威」と明記
  • 4
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 7
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 8
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 9
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキ…
  • 10
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中