最新記事

投資

ロビンフッドでシネコンオーナーも夢じゃない!? 世界では10代の投資家も活躍

2021年5月16日(日)11時50分
ウォリックあずみ(映画配給コーディネーター)

今年2月、世界を驚かせたゲームストップ株とロビンフッド Brendan McDermid - reuters

<かつては専門家だけのものだった株の世界だったが、アメリカや韓国ではお年玉や小遣いをアプリで運用する子どもも>

昨年から続く新型コロナウイルスの感染拡大防止の巣ごもり生活で、逆に活発になったと言われるものの一つが「株式投資」と言われている。特に、スマホ1つあれば簡単に始められる「株取引アプリ」は注目を浴び、なかでもスタンフォード大学の大学生が創立したというベンチャー企業のアプリ「Robinhood」は、筆者の住むここアメリカで大きな人気を博している。

と、ここまではネット検索すれば誰でも10秒で知ることのできる情報である。実際、筆者のスマホの中には現時点で「Robinhood」アプリはダウンロードされていない。株取引のアプリどころか、株の「か」の字もよくわかっていないまったくの素人だ。

ところが今年の2月、そんな筆者にも興味深いニュースが耳に入ってきた。Robinhoodがゲーム販売会社である「ゲームストップ」と、アメリカの4大映画館チェーンの一つAMCシアターズ率いる「AMCエンターテインメント・ホールディングス」の株の小口購入を認めると発表したのだ。

筆者は株のことは知らないが、社会人になって映画業界ひと筋で生きてきた。もちろんそういう人生を選んできたのは、もともと大の映画ファンであるからである。もし、これを機に「AMCエンターテインメント・ホールディングス」の株を買ったなら、簡単に夢のアメリカ映画館の株主になれるではないか。

しかし、ちょっと待て。株式投資と言われると、なぜか「ギャンブル」「借金地獄」というネガティブな単語が頭に浮かぶのはなぜだろう。

昭和と令和ではこんなに違う! 学校で教える「株取引」

記憶の糸をひも解いていくと、行き着いたのは小学校の「公民」の授業だ。初めて社会の仕組みを習う時間で、担任の先生は「絶対に簡単に手を出すものじゃない。一部の人以外儲けなどない。みんな借金地獄だぞ」と教室の生徒を怖がらせた。筆者も幼心に「一生株なんか手を出すものか」と固く誓ったものだ。

ところが時代は変り、「株式投資」は「資産運用」と呼ばれるようになった。2022年から日本の高校家庭科の授業で「投資信託」の授業が始まることが発表された。

カリキュラムを見てみると、これまでのように「社会の仕組み」として習うのではなく、実際に投資とお金の授業が始まるという。

家庭科と言えば、調理実習やエプロン/巾着など裁縫の授業を思い出す昭和生まれとしては、「株式投資」が社会の授業ではなく、家庭科の授業に組み込まれる部分も大いに興味深い。投資はそれだけ家庭の一部として定着したということだろうか。

ちなみに10代を対象とした投資に関する情報について調べてみたところ、なんと、最近では10代前半の子供向けに投資や金融について、本や漫画で分りやすく説明されたものが数多く出版されている。

それだけではない。中高生を対象とした投資体験プロジェクトや、中高大学生がチームで500万円の仮想投資をし、値動きをチェックしたレポートを競うコンテスト「日経STOCKリーグ」というものまで存在する。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ウクライナ首都に夜間攻撃、9人死亡・70人以上負傷

ワールド

米関税、インドGDPを最大0.5%押し下げる可能性

ビジネス

日産、米国でセダンEV2車種の開発計画を中止 需要

ビジネス

トランプ関税で「為替含め市場不安定」、早期見直しを
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負かした」の真意
  • 2
    トランプ政権はナチスと類似?――「独裁者はまず大学を攻撃する」エール大の著名教授が国外脱出を決めた理由
  • 3
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 4
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初…
  • 5
    日本の10代女子の多くが「子どもは欲しくない」と考…
  • 6
    アメリカは「極悪非道の泥棒国家」と大炎上...トラン…
  • 7
    【クイズ】世界で最もヒットした「日本のアニメ映画…
  • 8
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?.…
  • 9
    トランプの中国叩きは必ず行き詰まる...中国が握る半…
  • 10
    【クイズ】世界で1番「iPhone利用者」の割合が高い国…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 2
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?...「偽スーパーフード」に専門家が警鐘
  • 3
    しゃがんだ瞬間...「えっ全部見えてる?」ジムで遭遇した「透けレギンス」投稿にネット騒然
  • 4
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初…
  • 5
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判…
  • 6
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 7
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 8
    【クイズ】売上高が世界1位の「半導体ベンダー」はど…
  • 9
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 10
    「100歳まで食・酒を楽しもう」肝機能が復活! 脂肪…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 6
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 7
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 8
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 9
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中