最新記事

自動車

「ディーゼル神話」崩壊、ドイツがEVへ急転換、一方トヨタは...

2017年8月17日(木)16時00分
宮本夏実(東洋経済記者)、森川郁子(東洋経済記者)※東洋経済オンラインより転載

ディーゼル逆風の中、波に乗るのがトヨタ自動車だ。今年1~6月、欧州でのHV販売が20万台を超え、44%増と高い伸びを見せた。

「ドイツ勢はトヨタに電動化で遅れたことを深く反省している」(独部品大手の開発担当者)。皮肉にもディーゼル車はもともと、トヨタの「プリウス」に燃費効率で後れを取ったドイツ自動車業界の秘策だった。

燃費規制を乗り越えるにはEVが不可欠

欧州では2021年に、世界で最も厳しい燃費規制が導入される。ディーゼルが凋落した今、電気自動車(EV)などの開発は急務だ。

欧州勢は、中長期的にはEVやプラグインHV(PHV)を競争の軸に据える。過渡的な手段として、足元では停車・発進をモーターが補助する「マイルドHV」の採用を進める。

日本勢が得意なフルHVは避け、マイルドHVで独完成車5社と部品メーカーが協調し、急場をしのぐ。開発資源を将来のEVとPHVに集中させるためだ。

世界を見ると、EVとPHV、FCV(燃料電池車)を指す「排ガスゼロ車(ZEV)」の目標台数の達成を義務づける規制が、米国の一部や中国で2018年にかけて導入される。

日本でも、トヨタやホンダが昨年、EV開発の専門組織を立ち上げ、量産化を急いでいる。「ディーゼル不正の影響で、想定以上に電動化の波が加速した」(ホンダの倉石誠司副社長)。

かつてない逆境の中で欧州勢の必死の大転換は、日本勢も無視できない。

※当記事は「東洋経済オンライン」からの転載記事です。
toyokeizai_logo200.jpg

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

「米兵救出は復活祭の奇跡」、トランプ氏の宗教発言に

ワールド

UAEアルミ生産大手、イラン攻撃受けた精錬所は完全

ワールド

米プラネット・ラボ、イラン周辺の画像公開を無期限停

ワールド

アングル:3月米雇用統計、FRBの金利据え置きシナ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
2026年4月 7日号(3/31発売)

国際基準の情報開示や多様な認証制度──本当の「持続可能性」が問われる時代へ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】イラン情勢で一躍脚光の「NEC」 防衛・宇宙の2大テーマでAI懸念を払拭できるか
  • 2
    「考えの浅い親」が子どもに言ってしまっている口ぐせ・ワースト1
  • 3
    「高市しぐさ」の問題は「媚び」だけか?...異形の「攻撃的知能」を解剖する
  • 4
    イラン戦争の現実...アメリカとイスラエル、見え始め…
  • 5
    トランプ、イランに合意期限「米東部時間6日午前10時…
  • 6
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅…
  • 7
    地面にくねくねと伸びる「奇妙な筋」の正体は? 飛行…
  • 8
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引…
  • 9
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イ…
  • 10
    血圧やコレステロール値より重要?死亡リスクを予測…
  • 1
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 2
    イラン戦争の現実...アメリカとイスラエル、見え始めた限界
  • 3
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引、インサイダー疑惑が市場に波紋
  • 4
    「考えの浅い親」が子どもに言ってしまっている口ぐ…
  • 5
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イ…
  • 6
    【銘柄】イラン情勢で一躍脚光の「NEC」 防衛・宇宙…
  • 7
    中国がイラン戦争最大の被害者? 習近平の誤った経…
  • 8
    年金は何歳からもらうのが得? 男女で違う「最適な受…
  • 9
    初の女性カンタベリー大主教が就任...ウィリアム皇太…
  • 10
    「高市しぐさ」の問題は「媚び」だけか?...異形の「…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 4
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 5
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 10
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中