プレスリリース

リアルタイム映像伝送等を利用した災害医療体制の強化に関する実証を開始

2024年11月19日(火)14時00分
ドコモグループの法人事業ブランド「ドコモビジネス」を展開するNTTコミュニケーションズ株式会社(以下 NTT Com)は、株式会社NTTデータ経営研究所(以下 NTTデータ経営研究所)が設立したコンソーシアム(以下 本コンソーシアム)が実施する「徳島県におけるリアルタイム映像伝送等を利用した災害医療体制の強化に関する実証」(本実証)に参画します。本実証では、徳島県における災害時の医療体制強化を図るため、リアルタイム映像の連携などを通じて情報連携体制の構築をめざします。なお、本実証は総務省「令和6年度 地域デジタル基盤活用推進事業(実証事業)」に採択され実施するものです。

1.背景
徳島県は、南海トラフ地震※1が発生した際に甚大な被害が想定される地域に位置しています。徳島県では人口の70.7%、医師の77.5%が東部医療圏※2に集中しており、地震や津波により交通網が分断された場合、東部医療圏以外の災害想定エリアにおいて医療資源が不足する恐れがあります。
このような現状に加え、大災害では複数箇所で同時に傷病者が発生するため、災害現場と災害司令本部などが連携を行い、医師やドクターヘリなどを適切に運用することで、医療資源を効率的に分配することが求められます。

2.本実証の概要
そこで本実証では、災害時の医療資源の最適な分配と災害現場におけるトリアージと処置の迅速化をめざして、リアルタイム映像の連携などを通じて複数の災害現場と医療機関などの間における情報連携体制の構築をめざします。
キャリアLTE、キャリア5G、ローカル5G※3、Wi-Fi 6E※4などの通信回線および高精細カメラ、スマートフォン、タブレットなどを活用し、災害時にも高品質なリアルタイム映像伝送を可能とする「高精細映像伝送システム」(以下 本システム)を構築し、2024年11月から4つの病院と2つの消防本部で災害時における本システムの機能検証を行います。
災害現場~病院~ドクターヘリ/ドクターカー~災害司令本部などの間で映像などの伝送を行える医療体制を構築することで、処置や搬送先の選定を正確に行い、災害時の救命率向上をめざします。
本システムには、「LTE上空利用プラン※5」、「docomo MEC(R)※6」と、「Smart-telecaster(TM) Zaoウェアラブル / Zao Cloud View(TM)※7」を活用しており、キャリアネットワークとローカル5G間でのセキュアで低遅延な相互接続と、高画質のリアルタイム映像伝送を実現します。

画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/417636/img_417636_1.png

<実証内容>
・災害現場~病院~ドクターヘリ/ドクターカー~災害対策司令本部間のリアルタイム映像伝送連携
・ドクターヘリ/ドクターカー出動前に災害現場と複数病院間で高精細映像などを共有することによってドクターヘリ/ドクターカーの出動適格性を検証。
・移動中は災害現場および傷病者の高精細映像などを共有することで遠隔トリアージを行い、医師の災害現場到着後の医療処置の迅速化を検証。

<実証時期>
2024年11月~2025年2月

<各者の役割>
株式会社NTTデータ経営研究所(本コンソーシアム代表)
実証実験のシナリオの策定
本システムの効果検証
実証モデルの社会実装・普及展開の検討

NTTコミュニケーションズ株式会社
・「Smart-telecaster(TM) Zaoウェアラブル / Zao Cloud View(TM)」の機能検証と本実証に向けたカスタマイズ
・実証における飛行計画の策定、飛行ルートでのエリアシミュレーション、実際の飛行における映像伝送の検証

ケーブルテレビ徳島株式会社
ローカル5Gシステムの機器接続・運用支援

中日本航空株式会社
実証に使用するヘリコプターの運航サービスの提供
ヘリコプター離発着に関するステークホルダーとの調整

徳島県
実証フィールド(病院、救急車)の提供

徳島県立中央病院
医療現場視点での有効性評価
実証フィールドの提供

徳島赤十字病院
医療現場視点での有効性評価
実証フィールドの提供

徳島県立海部病院
医療現場視点での有効性評価
実証フィールドの提供

JA徳島厚生連阿南医療センター
医療現場視点での有効性評価
実証フィールドの提供


※1:南海トラフ地震とは、駿河湾から日向灘沖にかけてのプレート境界を震源域として概ね100~150年間隔で繰り返し発生してきた大規模地震です。前回の南海トラフ地震(昭和東南海地震(1944年)および昭和南海地震(1946年))が発生してから70年以上が経過した現在では、次の南海トラフ地震発生の切迫性が高まってきています。
(参考)「南海トラフ地震」 https://www.data.jma.go.jp/eqev/data/nteq/index.html
※2:東部医療圏とは、主に徳島市、鳴門市、吉野川市、阿波市、佐那河内村、石井町、神山町、松茂町、北島町、藍住町、板野町、上板町を指します。
(参考)「徳島県東部医療圏」 https://jmap.jp/cities/detail/medical_area/3601
※3:ローカル5Gとは、企業などが通信事業者に頼らず自社の建物や土地において独自の5Gネットワークを構築することができる仕組みのことです。
※4:Wi-Fi 6Eとは、Wi-Fi6を拡張した無線通信の規格で、これまでの2.4GHz帯/5GHz帯に加え、6GHz帯の利用が可能な通信方式です。
※5:「LTE上空プラン」は、NTTドコモとNTT Comが連携して提供する、無人航空機(ドローンなど)および、飛行機を除く航空機(ヘリコプターなど)向け専用料金プランです。ドローンおよびヘリコプターなどに本プラン対応のSIMカードを挿入、もしくは同SIMカードを挿入したLTE対応端末を搭載することで、上空のモバイルネットワークをご利用になれます。
※6:「docomo MEC」は、株式会社NTTドコモの商標です。「docomo MEC」は、NTTドコモとNTT Comが連携して提供する国内初の「MEC」(Multi-access Edge Computing)サービスです。5Gの特長を最大限に活用できる「MEC」により、リモートをよりリアルに、リアルを楽しく・快適にする、最先端ソリューションを創出できます。日本全国複数個所に拠点があり、地域の課題解決に寄与します。
(参考)「docomo MEC ポータルサイト」 https://www.mec.docomo.ne.jp/index.html
※7:「Smart-telecaster Zaoウェアラブル」と「Zao Cloud View」は、株式会社ソリトンシステムズが開発した、携帯電話回線などを利用して高画質の映像を伝送・配信するシステムです。独自の圧縮伝送技術である「RASCOW」を「RASCOW2」へと進化させ、映像伝送最大の課題だった遅延の問題も解消、超短遅延の映像伝送を可能にしています。
(参考)「Zao-X」 https://www.ntt.com/business/services/stzx.html


詳細はこちら
プレスリリース提供元:@Press
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

ユーロ圏銀行、資金調達の市場依存が危機時にリスク=

ビジネス

欧州の銀行、前例のないリスクに備えを ECB警告

ビジネス

ブラジル、仮想通貨の国際決済に課税検討=関係筋

ビジネス

投資家がリスク選好強める、現金は「売りシグナル」点
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影風景がSNSで話題に、「再現度が高すぎる」とファン興奮
  • 3
    悪化する日中関係 悪いのは高市首相か、それとも中国か
  • 4
    「中国人が10軒前後の豪邸所有」...理想の高級住宅地…
  • 5
    マイケル・J・フォックスが新著で初めて語る、40年目…
  • 6
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 7
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 8
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 9
    山本由伸が変えた「常識」──メジャーを揺るがせた235…
  • 10
    南京事件を描いた映画「南京写真館」を皮肉るスラン…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 5
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 6
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 7
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 8
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 9
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 10
    「中国人が10軒前後の豪邸所有」...理想の高級住宅地…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中