プレスリリース

循環型インクジェットプリントヘッド「KJ4B-EX1200-RC」を発売

2024年02月29日(木)14時15分
※1:2024年2月15日、京セラ調べ

京セラ株式会社(代表取締役社長:谷本 秀夫)は、商業印刷やパッケージ印刷など幅広い印刷用途に対応するインクジェットプリントヘッド(以下、ヘッド)において、業界最高クラス※1の吐出性能を実現し、多様なインクに対応可能な循環型ヘッド「KJ4B-EX1200-RC」を開発し、本年4月より販売を開始しますので、お知らせいたします。
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/386618/img_386618_1.jpg
インクジェットプリントヘッド「KJ4B-EX1200-RC」

表1: https://www.atpress.ne.jp/releases/386618/table_386618_1.jpg


表2: https://www.atpress.ne.jp/releases/386618/table_386618_2.jpg

※2:ファインセラミックスの圧電効果を利用してインク吐出の原動力を生み出す部品

■開発の背景
デジタル印刷は、画像データに基づいて必要な数量を即座に印刷できる手軽さや、版洗浄時の廃液が発生しないため環境負荷が低減されるという利点があります。このため、インクジェット方式を含むデジタル印刷の需要が広がり、紙の印刷物だけではなく、衣服、食品包装、住宅建材などさまざまな印刷用途で利用されています。
昨今では、生産性向上やさまざまな用途へ展開するためにインクの多様化が進み、高速、高画質かつ高耐久性に加え、多様なインクに対応可能なヘッドが求められています。特に商業印刷やパッケージ印刷市場では、従来の上質紙のみならずコート紙やフィルムなどに対応できるよう液滴量の最適化が求められてきました。加えて、印刷装置の高速化に伴い、印刷後のインク乾燥時間の短縮が課題となっており、速乾性インクへの対応も求められています。
高い耐久性により、安定した長期間の連続印刷を実現し、印刷現場の生産性向上を支えます。これにより、オペレーターの負荷を軽減し、省人化を促進することで、デジタル印刷の進化を牽引してまいります。

■特長の詳細
1.ノズル近傍循環機構により、速乾性インクなど多様なインクに対応し、幅広い用途で使用可能
京セラ独自のノズル近傍循環機構により、ノズル乾燥を回避。均一な温度管理とインク成分の沈降を抑制し、安定した印刷を可能にしたことで、速乾性インクなど多様なインクでの印刷に対応できます。また、ヘッドクリーニングなど再稼働時のメンテナンスの削減にも貢献します。加えて、本製品は水冷※3仕様が標準となっており、水冷機構による連続印刷と印刷特性の安定性を確保しています。

※3:冷却水による冷却方法で、プリントヘッドに搭載されている駆動基板を冷却する機能

ノズル近傍循環機構
画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/386618/img_386618_2.jpg

水冷仕様
画像3: https://www.atpress.ne.jp/releases/386618/img_386618_3.jpg

2.高い駆動周波数と最大液滴量増加による生産性の向上
インク流路設計の最適化とヘッド構造の見直しにより、ノズルから吐出されるインクの最大液滴量を、80kHz駆動時、従来品比約43%増の4.0pLまで向上させるとともに、吐出安定性を高めました。ヘッドあたりの生産性を向上させ、商業印刷やパッケージ印刷市場で求められていた液滴量最適化による幅広いメディア対応も可能となりました。

画像4: https://www.atpress.ne.jp/releases/386618/img_386618_4.jpg


3.当社独自の一体型ピエゾアクチュエータにより、高画質印刷を実現
当社独自の緻密多結晶セラミックアクチュエータに関する材料設計技術と、薄型圧電セラミック基板の製造プロセス技術を生かし開発した大型の一体型ピエゾアクチュエータを、本製品向けに最適化し採用(幅 116mm×奥行 34mm×厚み 0.04mm)。大型の一体型ピエゾアクチュエータにすることで、ヘッド内の画質を均一にし、より高画質な印刷を実現します。
画像5: https://www.atpress.ne.jp/releases/386618/img_386618_5.jpg
一体型ピエゾアクチュエータ

4.電装系インターフェースの共通化により汎用性を向上
従来の当社製ヘッド「KJ4B-1200」と同様のインターフェースを採用したことで、装置側駆動システムの開発コストを軽減し、ヘッド選択の汎用性が向上しました。

京セラは、本製品の供給により印刷のデジタル化の可能性をさらに広げるとともに、地球環境の持続可能性の向上に貢献してまいります。

■「drupa 2024」の出展について
京セラは、本年5月28日(火)~6月7日(金)に、ドイツで開催される国際印刷・メディア産業展「drupa 2024」に出展し、本製品の展示も行います。
表3: https://www.atpress.ne.jp/releases/386618/table_386618_3.jpg




詳細はこちら
プレスリリース提供元:@Press
今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

アジアのヘッジファンド、株安でも健闘 中国株が寄与

ビジネス

日経平均は反発、円安好感し戻り歩調 後半は小動き

ビジネス

テスラ、中国でモデルY廉価版生産へ 26年量産予定

ビジネス

シャープ、堺市の土地などソフトバンクに引き渡し 売
MAGAZINE
特集:日本人が知らない 世界の考古学ニュース33
特集:日本人が知らない 世界の考古学ニュース33
2025年3月18日号(3/11発売)

3Dマッピング、レーダー探査......新しい技術が人類の深部を見せてくれる時代が来た

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「若者は使えない」「社会人はムリ」...アメリカでZ世代の採用を見送る会社が続出する理由
  • 2
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦している市場」とは
  • 3
    【クイズ】世界で1番「石油」の消費量が多い国はどこ?
  • 4
    【クイズ】ウランよりも安全...次世代原子炉に期待の…
  • 5
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
  • 6
    白米のほうが玄米よりも健康的だった...「毒素」と「…
  • 7
    SF映画みたいだけど「大迷惑」...スペースXの宇宙船…
  • 8
    「紀元60年頃の夫婦の暮らし」すらありありと...最新…
  • 9
    113年間、科学者とネコ好きを悩ませた「茶トラ猫の謎…
  • 10
    うなり声をあげ、牙をむいて威嚇する犬...その「相手…
  • 1
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやステータスではなく「負債」?
  • 2
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦している市場」とは
  • 3
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は中国、2位はメキシコ、意外な3位は?
  • 4
    メーガン妃が「菓子袋を詰め替える」衝撃映像が話題…
  • 5
    白米のほうが玄米よりも健康的だった...「毒素」と「…
  • 6
    うなり声をあげ、牙をむいて威嚇する犬...その「相手…
  • 7
    「これがロシア人への復讐だ...」ウクライナ軍がHIMA…
  • 8
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」…
  • 9
    【クイズ】ウランよりも安全...次世代原子炉に期待の…
  • 10
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアで…
  • 1
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 4
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 5
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 6
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 7
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 8
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
  • 9
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 10
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中