- HOME
- Picture Power
- 【写真特集】「記憶を持った鏡」に日々を映して
Picture Power
【写真特集】「記憶を持った鏡」に日々を映して
QUOTIDIAN MIRRORS
Photographs by TAKASHI ARAI
『2021年1月4日、鏡ごしのセルフ・ポートレイト、川崎』
<磨き抜いた鏡面に被写体を描出するダゲレオタイプが、不確実さを増す現代の社会を映し出す>
新井卓(たかし)は、磨き抜いて鏡面にした銀板に被写体を描出する、19世紀前半に考案された写真技法のダゲレオタイプを用いる数少ない写真家の1人だ。東日本大震災があった2011年から取り組んでいる「毎日のダゲレオタイプ」シリーズより厳選された作品展『日日(にちにち)の鏡』が、7月5日から東京・港区のギャラリー、PGIで開催される。
震災以降も新型コロナのパンデミックが起こるなど、社会は不確実さを増している。頻繁にリセットボタンが押されるような、よりどころのない日々の中で連綿と続く新井のパーソナルな記録。それは「記憶を持った鏡」(ダゲレオタイプの別名)の中で脈打ち、忘却にあらがっている。




©Takashi Arai, Courtesy of PGI
■新井卓 作品展 『日日(にちにち)の鏡』
2023年7月5日−8月23日/PGI:https://www.pgi.ac
■新刊本『百の太陽/ 百の鏡──写真と記憶の汀』
(岩波書店、2023年7月刊行)
この筆者のコラム
【写真特集】ライオンもサイもいない スター不在の地味にすごい国立公園を救え 2025.11.18
【写真特集】カシミールの天空を走る新鉄道 めくるめく絶景の鉄旅とインドの軍事戦略 2025.11.11
【写真特集】世界最高峰の野生生物写真コンテスト 変わる環境を生き抜く野生の底力 2025.11.04
【写真特集】震災を超えて「時の層」で紡ぐ 故郷・女川の物語 2025.10.02
【写真特集】東南アジアの過酷な漁業 その実態を見よ 2025.09.17
【写真特集】大英帝国支配の爪痕 ニュージーランドに遺る産業の残照 2025.09.11
【写真特集】「世界最大の湖」カスピ海が縮んでいく 砂漠化する地域も 2025.08.22





