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ミャンマーの民主化は本物なのか
Photographs by Nic Dunlop
ミャンマーの民主化は本物なのか
Photographs by Nic Dunlop
2011年3月、約50年間続いた軍政に終わりを告げ、民政移管を果たしたミャンマー(ビルマ)。テイン・セイン大統領の下で民主化と経済改革が進められ、新たな未開拓市場としても世界中から注目されている。
大きな変革の波が押し寄せているミャンマーを20年前から撮り続けてきた写真家のニック・ダンロップは、その記録を1冊の写真集『ブレイブ・ニュー・ビルマ』にまとめた。ダンロップが表現したかったのは、現代の独裁国家の姿だという。少数民族と政府軍による軍事対立の最前線、軍政下にありながら平穏を装う街並み、政治犯に対する拷問、圧政と貧困にもがきながら生きる人々......。彼の作品は、長く閉ざされてきたミャンマーの歴史の貴重な記録であり、この国の闇の時代をあらわにする。
ミャンマーは今、新しく生まれ変わろうとしている。とはいえ、改革がこのまま前進し続けるという保証はない。軍は相変わらず幅を利かしており、軍政時代と大差ないという声も聞かれる。少数民族への弾圧が続く限り、「民主化」も名ばかりで終わるだろう。
ダンロップいわく、「この国では多くが変わったが、今も多くが昔と同じままだ」。
Photographs by Nic Dunlop from "Brave New Burma"/ Dewi Lewis Publishing
<本誌2013年6月18日号掲載>