議事堂襲撃事件は終わりではなく始まりだった?(2021年1月6日) Stephanie Keith-REUTERS
<まるで自分の国じゃないみたい。トランプの嘘に乗せられた共和党支持者だけでなく、民主党支持者も激しく怒っている>
7月4日、アメリカは立憲民主主義国家として建国されて256年目の独立記念日を迎えた。そんな中、国民の4人に1人が連邦政府に対し「武器を取る」べき時が近付いているように感じているとする世論調査結果が公表された。
これはシカゴ大学政治学研究所が民主党系と共和党系それぞれの世論調査機関と組んで行ったもので、6月30日に発表された。その結果からは、連邦政府に対するマイナスイメージが、政治への幻滅や世論の二極化によってさらに悪化させていることがうかがえる。
調査結果によれば、回答者の過半数が「政府は腐敗しており、自分のような一般人に不利になるような政策を仕組んでいる」と考えている。また約49%が「母国にいるのに自分がよそ者であるかのような感覚が強まってきている」かという問いに完全に当てはまると答えている。共和党支持者の中でこうした感情は特に強いが、支持政党なしの過半数、民主党支持者でもかなりの割合が同じように答えた。
こうした感情が、政府に対するマイナスイメージをさらに悪化させているようだ。「それほど先ではないいずれかの時点で、市民が政府に対して武装蜂起する必要が出てくるかも知れない」と思うかという問いに同意したのは回答者の28%に達した。この割合は共和党支持者では実に45%、支持政党なしでも35%、民主党支持者では20%だった。
今回の世論調査は、アメリカがイデオロギー的にも支持政党の点でもまた地理的にも激しく分断されている現状と見事に重なり合っている。共和党系の世論調査専門家のニール・ニューハウスは、今回の結果にはそうした傾向がこれまでになく強く示されていると指摘する。
「国内で支持政党の二極化が進んでいることは以前から見てきた通りだ。今回の調査結果はたぶん、国を引き裂いている党派主義的な世論の深い分裂を最もはっきり示す証拠だ」とニューハウスはいう。今回の調査には、彼が共同創立者を務める世論調査機関も参加した。
共和党支持者の世論は連邦政府に対して敵対的に、そしてアメリカの行く末に関して悲観的になりやすいことも示された。
例えば、アメリカの選挙制度の公正さを信じていると答えたのは、共和党支持者の3人に1人に過ぎなかった。明らかに、ドナルド・トランプ前大統領らが2020年の大統領選敗北後に吹聴した陰謀論(根拠がなかったことはすでに証明されている)の影響だ。