ニュース速報

ワールド

EXCLUSIVE-アフリカ首脳、ウクライナとロシアに「信頼醸成」措置提案へ=草案文書

2023年06月16日(金)10時41分

今週末にかけてウクライナとロシアを訪問するアフリカ諸国首脳の平和使節団が、両国の紛争の調停に向けた最初の取り組みとして「信頼醸成」に向けた一連の措置を提案することが15日、ロイターが入手した枠組み文書の草案で分かった。写真は2019年10月、ロシ南部ソチで開かれた第1回ロシア・アフリカ首脳会議に出席するロシアのプーチン大統領と南アフリカのラマポーザ大統領(2023年 ロイター/Sergei Chirikov/Pool via REUTERS)

[ヨハネスブルグ 15日 ロイター] - 今週末にかけてウクライナとロシアを訪問するアフリカ諸国首脳の平和使節団が、両国の紛争の調停に向けた最初の取り組みとして「信頼醸成」に向けた一連の措置を提案することが、ロイターが入手した枠組み文書の草案で15日分かった。

アフリカ諸国首脳の平和使節団は南アフリカのラマポーザ大統領とセネガルのサル大統領が率いており、ザンビア、コモロ、エジプトなどの首脳が参加。16日にウクライナの首都キーウ(キエフ)、17日にロシア第2の都市サンクトペテルブルクを訪問する。ウクライナではゼレンスキー大統領、ロシアではプーチン大統領との会合が行われる見通し。

ロイターが入手した枠組み文書の草案は、使節団の目的について「平和の重要性を推進し、外交による交渉プロセスに合意するよう当事者に促すことだ」と説明。「紛争だけでなく、(アフリカ)大陸の主要貿易相手国が課しているロシアへの制裁は、アフリカの経済と生活に悪影響を及ぼしている」としている。

その上で、戦争状態にあるロシアとウクライナ両国との関わりの第一段階としてアフリカ首脳が提案する可能性のある一連の措置を列挙。ロシア軍の撤退、隣国ベラルーシからの戦術核兵器の撤去、国際刑事裁判所(ICC)がプーチン大統領に対して出した逮捕状の停止、制裁措置の緩和のほか、無条件の穀物・肥料取引などが挙げられている。

また「こうした措置で停戦に向けた環境整備を促進し、(紛争)当事者が信頼を構築し、平和の回復に向けた戦略を策定できるようにすることを目指さなければならない」とし、その後にロシアと西側諸国との交渉を伴う敵対行為停止を巡る合意に向かうことができるとしている。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米側の要請あれば、加藤財務相が為替協議するだろう=

ワールド

次回関税協議で具体的前進得られるよう調整加速を指示

ワールド

イスラエル、ガザで40カ所空爆 ハマスが暫定停戦案

ワールド

ロープウエーのゴンドラ落下、4人死亡 ナポリ近郊
MAGAZINE
特集:トランプショック
特集:トランプショック
2025年4月22日号(4/15発売)

大規模関税発表の直後に90日間の猶予を宣言。世界経済を揺さぶるトランプの真意は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 2
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判もなく中米の監禁センターに送られ、間違いとわかっても帰還は望めない
  • 3
    【クイズ】売上高が世界1位の「半導体ベンダー」はどこ? ついに首位交代!
  • 4
    米経済への悪影響も大きい「トランプ関税」...なぜ、…
  • 5
    紅茶をこよなく愛するイギリス人の僕がティーバッグ…
  • 6
    トランプ関税 90日後の世界──不透明な中でも見えてき…
  • 7
    ノーベル賞作家のハン・ガン氏が3回読んだ美学者の…
  • 8
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 9
    今のアメリカは「文革期の中国」と同じ...中国人すら…
  • 10
    トランプが「核保有国」北朝鮮に超音速爆撃機B1Bを展…
  • 1
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜け毛の予防にも役立つ可能性【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止するための戦い...膨れ上がった「腐敗」の実態
  • 3
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 6
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 7
    パニック発作の原因とは何か?...「あなたは病気では…
  • 8
    中国はアメリカとの貿易戦争に勝てない...理由はトラ…
  • 9
    動揺を見せない習近平...貿易戦争の準備ができている…
  • 10
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 6
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 7
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 8
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えな…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中