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EUエネ相、ロシア産ガス価格上限に合意せず 対象広範化を提案
欧州連合のエネルギー相は会合で、天然ガス以外で発電する電力事業者の利益に上限を設けるよう欧州委に提案することで一致した。9日、ブリュッセルで撮影(2022年 ロイター/Johanna Geron)
[ブリュッセル 9日 ロイター] - 欧州連合(EU)エネルギー相は9日に開いた会合で、天然ガス以外で発電する電力事業者の利益に上限を設けるよう欧州委員会に提案することで一致した。天然ガスに価格上限を設ける案については、ロシア産のみを対象にせず、対象を広範にするよう提案した。
輪番制のEU議長国を現在務めるチェコが発表したエネルギー相会合の会議要旨によると、エネルギー価格の高騰を受けた消費者の負担増に対処する方法を模索する中で、ロシア産天然ガスを特定的に対象としない、広範な天然ガスの価格上限設定を含む緊急措置を策定するよう欧州委に要請することで合意した。
議事要旨によると、ロシアから輸入する天然ガスに価格上限を設ける案は幅広い支持を得られなかった。
欧州委は来週、具体的な提案を発表する見通し。複数のEU外交筋によると、EUエネルギー相は今月末にも緊急会合を開き、最終案について協議する可能性がある。
ロシア産天然ガスに価格上限を設ける案は、ウクライナに侵攻するロシアの戦争資金を断つ手段として有効としてバルト3国などが支持。一方、ロシア産エネルギーになお依存している中・東欧諸国は、価格上限が設定されれば、ロシアは直ちに供給を停止すると危惧している。
ロシアのプーチン大統領は7日、ウラジオストクで開催された東方経済フォーラムで行った演説で、ロシア産エネルギーに上限価格が設定されれば、ガス・石油供給を停止すると表明した。