ニュース速報

ワールド

WTO閣僚会議、食料安保・ワクチン特許問題で合意 宣言採択

2022年06月17日(金)14時31分

 世界貿易機関(WTO)の閣僚会議は17日、5日以上に及ぶ交渉の末、保健、食料安全保障などの分野を含む貿易パッケージで合意した。ジュネーブのWTO本部で代表撮影(2022年 ロイター)

[ジュネーブ 17日 ロイター] - 世界貿易機関(WTO)の閣僚会議は17日未明、食料安全保障や漁業補助金、新型コロナウイルスワクチンの特許問題などの対応を盛り込んだ閣僚宣言を採択して閉幕した。

12日に開幕した会議はインド、その他新興国の強硬姿勢で難航し、会期を1日延長して協議を続けていた。

WTOのオコンジョイウェアラ事務局長は「パッケージ合意は世界中の人々の生活に変化をもたらすだろう」と指摘。「この成果はWTOが緊急事態に対応する能力があることを示すものだ」と述べた。

閣僚宣言の目玉は漁業補助金削減とコロナワクチン特許の一部放棄。

漁業補助金削減を巡る合意はWTO史上2回目で手続きの簡素化をうたった初回合意と比べてかなり野心的な内容となった。水産資源の枯渇に歯止めがかがる可能性がある。

新興国がコロナワクチンを製造・輸出できるようにする特許の一部放棄の問題は2年近くWTO内で意見対立が続いたが、ついに合意が成立した。

また音楽配信や金融取引などデータを扱う電子商取引に関税を賦課しない「モラトリアム」についても16日に合意に達した。

今回の合意について、オブザーバーの反応はおおむね好意的で、トランプ前米政権で機能不全状態になったWTOが回復し機構改革が進むとの声が聞かれた。

ロイター
Copyright (C) 2022 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

IT大手決算や雇用統計などに注目=今週の米株式市場

ワールド

バンクーバーで祭りの群衆に車突っ込む、複数の死傷者

ワールド

イラン、米国との核協議継続へ 外相「極めて慎重」

ワールド

プーチン氏、ウクライナと前提条件なしで交渉の用意 
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは? いずれ中国共産党を脅かす可能性も
  • 3
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口の中」を公開した女性、命を救ったものとは?
  • 4
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 5
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 6
    ロシア武器庫が爆発、巨大な火の玉が吹き上がる...ロ…
  • 7
    足の爪に発見した「異変」、実は「癌」だった...怪我…
  • 8
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 9
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 10
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初期に発見される
  • 4
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 5
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?.…
  • 6
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 7
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 8
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
  • 9
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 10
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 7
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 8
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 9
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中