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WTO閣僚会議、食料安保・ワクチン特許問題で合意 宣言採択

世界貿易機関(WTO)の閣僚会議は17日、5日以上に及ぶ交渉の末、保健、食料安全保障などの分野を含む貿易パッケージで合意した。ジュネーブのWTO本部で代表撮影(2022年 ロイター)
[ジュネーブ 17日 ロイター] - 世界貿易機関(WTO)の閣僚会議は17日未明、食料安全保障や漁業補助金、新型コロナウイルスワクチンの特許問題などの対応を盛り込んだ閣僚宣言を採択して閉幕した。
12日に開幕した会議はインド、その他新興国の強硬姿勢で難航し、会期を1日延長して協議を続けていた。
WTOのオコンジョイウェアラ事務局長は「パッケージ合意は世界中の人々の生活に変化をもたらすだろう」と指摘。「この成果はWTOが緊急事態に対応する能力があることを示すものだ」と述べた。
閣僚宣言の目玉は漁業補助金削減とコロナワクチン特許の一部放棄。
漁業補助金削減を巡る合意はWTO史上2回目で手続きの簡素化をうたった初回合意と比べてかなり野心的な内容となった。水産資源の枯渇に歯止めがかがる可能性がある。
新興国がコロナワクチンを製造・輸出できるようにする特許の一部放棄の問題は2年近くWTO内で意見対立が続いたが、ついに合意が成立した。
また音楽配信や金融取引などデータを扱う電子商取引に関税を賦課しない「モラトリアム」についても16日に合意に達した。
今回の合意について、オブザーバーの反応はおおむね好意的で、トランプ前米政権で機能不全状態になったWTOが回復し機構改革が進むとの声が聞かれた。