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北朝鮮、巡航ミサイルなどの発射報道 金氏は軍需工場視察
北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)は28日、同国が25日に長距離巡航ミサイル、27日に地対地戦術誘導ミサイルの発射実験を実施したと報じた。2014年10月撮影(2022年 ロイター/Denis Balibouse)
[ソウル 28日 ロイター] - 北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)は28日、同国が25日に長距離巡航ミサイル、27日に地対地戦術誘導ミサイルの発射実験を実施したと報じた。これとは別に、金正恩朝鮮労働党総書記が「主要な兵器システム」を製造する軍需工場を視察したと伝えた。
KCNAによると、試射したのは長距離巡航ミサイルの改良型で、地対地戦術誘導ミサイルは従来型弾頭の威力を確認するために発射実験を実施した。
25日に試射した長距離巡航ミサイル2発は約2時間半にわたり1800キロ飛行し、標的としていた東岸沖の島に命中したという。
27日に試射した戦術誘導ミサイル2発も標的に正確に命中し、弾頭部の爆発威力が設計通りであることが示されたと伝えている。
金正恩氏は発射実験に立ち会わなかったが、KCNAは別の記事で、同氏が視察した軍需工場について、「主要な兵器の生産」で進展を果たし、同国軍の近代化において「非常に重要な地位と義務」を担い、国家防衛発展戦略を実現していると称賛したと伝えた。兵器の詳細や工場の場所については触れていない。
工場で金正恩氏は「強力な最新鋭兵器」を生産するための「総力戦」を呼び掛け、工場の従業員は自衛権を侵害しようとする「米国の帝国主義者とその属国勢力の挑戦」を「最も厳しい逆境」とし、その粉砕に向けた同氏の献身を称えた。
KCNAはまた、「戦闘機能・任務を果たすことができる強力な弾頭の開発を続ける」と付け加えた。
米ジェームズ・マーティン不拡散研究センターのミサイル専門家、ジェフリー・ルイス氏は軍需工場について、北朝鮮の第2の都市である東部・咸興にある龍城機械連合企業所の「2月11日工場」のようだと指摘した。
視察の写真に写っている巨大な金属チューブは、「KN23」あるいはその他の短距離弾道ミサイルのモーターケーシングのようだとツイッターに投稿した。
米国防総省のカービー報道官は「不安定化を招く」としてミサイル発射を非難し、「挑発をやめる」よう北朝鮮に呼び掛けた。
欧州連合(EU)も声明を発表し、ミサイル実験は国際社会と地域の平和と安全を脅かすと同時に、対話再開と北朝鮮国民への支援に向けた取り組みを損なうと指摘した。
韓国軍合同参謀本部は27日、北朝鮮が東岸から弾道ミサイルと推定される飛翔体2発を発射したと発表していた。ミサイル発射実験は今月に入って6回目で、米国から非難の声が上がった。
韓国軍はまた、北朝鮮が25日に巡航ミサイルとみられるもの2発を東海(日本海)に向けて発射したもようだと明らかにしていた。
ソウルの北韓(北朝鮮)大学院大学校の梁茂進(ヤン・ムジン)教授は、北朝鮮が今後、挑発を強める可能性は高く、2月と4月の故金正日総書記の生誕80年と故金日成主席の生誕110年の記念日に、大陸間弾道ミサイル(ICBM)かその他の強力なミサイルを発射する可能性があると指摘した。