ニュース速報

ワールド

北朝鮮が飛翔体2発発射、今年6回目 弾道ミサイルと韓国軍推定

2022年01月27日(木)14時13分

  1月27日、韓国の聯合ニュースは、北朝鮮が東岸沖に向けて飛翔体1発を発射したと伝えた。写真は北朝鮮の旗。ジュネーブで2014年10月撮影(2022年 ロイター/Denis Balibouse)

[ソウル 27日 ロイター] - 韓国軍は27日、北朝鮮が東岸から弾道ミサイルと推定される飛翔体2発を発射したと発表した。ミサイル発射実験は今月に入って6回目。

韓国軍合同参謀本部は、現地時間午前8時ごろに東部咸興付近からミサイル発射を探知したと説明。飛行距離は約190キロ、高度は最大で20キロだったとしている。

岸田文雄首相は官邸で記者団に対し、「韓国の報道は承知している。政府としては引き続き情報収集に努めていく」と語った。

岸信夫防衛相は記者団に、飛翔体は日本の排他的経済水域(EEZ)外に落下したもようとの認識を示した。

韓国軍によると、北朝鮮は25日も巡航ミサイルとみられるもの2発を東海(日本海)に向けて発射したもようで、今年はこのほか、戦術誘導ミサイル、極超音速ミサイル2発、鉄道機動式ミサイルの発射実験を実施している。

一連のミサイル発射に米国や日本などから非難の声が上がっており、国連安全保障理事会の緊急会合も開かれた。

梨花大学のレイフ・エリック・イースレイ教授(国際問題)は、「資源が限られ、経済が深刻な状況であるにもかかわらず、金正恩政権は驚くほど多様な攻撃兵器を開発している」とした上で、頻繁な発射は関心を集めるのが狙いとの指摘もあるが北朝鮮は韓国との軍拡競争に真剣だと述べた。

北朝鮮の韓大成(ハン・テソン)駐ジュネーブ国際機関代表部大使は、25日の国連軍縮会議で、米国の共同軍事演習実施や韓国へのハイテク兵器輸出などを非難し「わが国の安全保障にとって重大な脅威」と主張した。

米国務省報道官は、北朝鮮のミサイル発射実験について、複数の国連安保理決議に違反しており、近隣諸国と国際社会の脅威になると非難。引き続き外交措置を重視し、北朝鮮に対話への関与を求めると述べた。

米インド太平洋軍は、ミサイル発射は不安定化を招くが、米国や同盟国に直ちに脅威を及ばさないとの見解を改めて示した。

韓国国家安全保障会議は緊急会議を開催し、ミサイル発射は「非常に遺憾」であり、地域の平和と安定への呼び掛けに反すると表明した。

ロイター
Copyright (C) 2022 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

EU、AIの波乗り遅れで将来にリスク ECB総裁が

ワールド

英文化相、テレグラフの早期売却目指す デイリー・メ

ビジネス

FRBウォラー理事、12月利下げを支持 1月は「デ

ワールド

トランプ氏、エヌビディアAI半導体の中国販売認可を
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネディの孫」の出馬にSNS熱狂、「顔以外も完璧」との声
  • 2
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 3
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後悔しない人生後半のマネープラン
  • 4
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    「搭乗禁止にすべき」 後ろの席の乗客が行った「あり…
  • 8
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 9
    「イラつく」「飛び降りたくなる」遅延する飛行機、…
  • 10
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 1
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 2
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 3
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 4
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 5
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 8
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 9
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 10
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中