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2021年10月30日(土)03時15分

バイデン米大統領は29日、バチカン(ローマ教皇庁)でローマ教皇フランシスコと私的に謁見した。(2021年 ロイター/Vatican Media/Handout via REUTERS)

(第7段落の誤字を修正して再送します)

[バチカン市 29日 ロイター] - バイデン米大統領は29日、バチカン(ローマ教皇庁)でローマ教皇フランシスコと私的に謁見した。カトリック教徒のバイデン氏が人工妊娠中絶権を支持していることが米国内で論争になっている中、バチカンによると会談は1時間15分と異例の長時間となった。

その後15分間にわたって大統領夫人のジル氏ら代表団の他のメンバーとともに写真撮影や贈り物の交換をした。

2017年のトランプ前大統領との会談は約30分間、14年のオバマ元大統領との会談は約50分間だった。

ホワイトハウスとバチカンの声明は、いずれも中絶問題への直接的な言及がなかった。

ホワイトハウスによると、バイデン氏は教皇が「世界の貧しい人々や、飢餓、紛争、迫害に苦しんでいる人々を導いている」ことを感謝した。また、教皇が「気候変動危機への対応でリーダーシップを発揮しているほか、新型コロナウイルスワクチンの共有と世界経済の均等な回復を通じてパンデミック(世界的大流行)の収束を提唱している」と称賛した。

バチカンによると、地球環境の保護や医療、パンデミック、難民・移民問題、信教の自由と良心を含む人権保護について話し合った。

中南米初のローマ教皇と米国史上2人目のカトリック教徒の大統領との会談は、米国教会内で激しい議論がある中で実施された。バイデン氏は、人工中絶権を巡る論争で相反する立場をとり、保守派から圧力を受けている。

ミサに定期的に出席し、執務室に教皇の写真を飾っている大統領は個人的には人工中絶に反対しているが、公選の指導者として個人的意見を強制はできないとしている。

米連邦最高裁判所は来月1日、今年の二つの主要な訴訟の最初の審理を予定。これらの訴訟は野党共和党が支持する人工中絶の権利を制限する一連の州法に対し、異議を唱えている。

人工中絶反対派は、最高裁が中絶手術を全国的に合法化する判断を下した1973年の「ロー対ウェイド判決」を覆すことを期待している。教皇は9月、米国の聖体拝領の議論に関し、中絶は「殺人」だと記者団に述べた。しかし、教皇は米国のカトリック司教らがこの問題を司牧的ではなく、政治的に扱っていると批判したようだった。

ロイター
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