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トルコ「時期尚早」な利下げでインフレ上昇リスク=フィッチ

2021年10月21日(木)02時36分

格付け会社フィッチ・レーティングスは20日、トルコが9月に行った利下げによって、同国のインフレ率が年末までにフィッチの予想値17.2%を上回る水準に上昇する可能性があるという見方を示した。2020年1月撮影(2021年 ロイター/Dado Ruvic)

[イスタンブール 20日 ロイター] - 格付け会社フィッチ・レーティングスは20日、トルコが9月に行った利下げによって、同国のインフレ率が年末までにフィッチの予想値17.2%を上回る水準に上昇する可能性があるという見方を示した。21日には再度の金融緩和が予想されている。

トルコ中央銀行が金利を100ベーシスポイント(bp)引き下げ18%としたことは「9月の19.6%という高インフレ率やインフレ期待の悪化、リラ安の影響を考えると、時期尚早だ」とし、「これにより、2021年末のインフレ予想である17.2%を超えるリスクが生じている」と指摘した。

トルコリラが9月から記録的な安値を記録しているにもかかわらず、中銀は21日に再び政策金利を最大100ポイント引き下げると予想されている。通貨安は輸入を通じてインフレ率を上げる。

トルコのエルドアン大統領は、これまで3人の中央銀行総裁を突然更迭し、先週は中銀の3人の金融政策委員を解任した。9月の利下げに反対したとされる2人が含まれる。

フィッチは「中央銀行の独立性の欠如に加え、23年までに実施予定の選挙に向けた不安定な刺激策の可能性により、政策を巡る不確実性は高い。連立政権に対する国民の支持率が低下している中でなおさらだ」とした。

大統領府に近い関係者によると、エルドアン大統領は、融資や輸出、雇用の促進のため、数カ月も前から金融緩和策を要求していたという。

ロイター
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