ニュース速報

ワールド

ブラジル大統領の訴追勧告、コロナ対応巡り殺人罪で=上院報告書

2021年10月20日(水)12時23分

 ブラジルの新型コロナウイルス対応を巡る議会上院の調査報告書は、多くの国民の死亡につながる政府の過失があったとして、ボルソナロ大統領(写真)を殺人罪で訴追することを勧告した。6日撮影(2021年 ロイター)

[ブラジリア 19日 ロイター] - ブラジルの新型コロナウイルス対応を巡る議会上院の調査報告書は、多くの国民の死亡につながる政府の過失があったとして、ボルソナロ大統領を殺人罪で訴追することを勧告した。

大統領は政治的な動機に基づいているとして調査を退けている。また、ボルソナロ氏が任命した検事総長が実際に同氏を訴追する公算は極めて低いとみられる。

調査を行う上院委員会向けに野党のレナン・カリェイロス上院議員が準備した1200ページ近くに及ぶ報告書は、ボルソナロ大統領がワクチンを獲得する早い段階の機会を活かさず、ワクチン接種キャンペーンを遅らせたため推計で9万5000人の命が奪われた、と主張。「(大統領は)自然感染による集団免疫理論と治療法の存在に対する根拠のない信念」に導かれていたとしている。

報告書案は上院委員会での採決が必要となり、否決されたり、変更されたりする可能性がある。採決は来週に予定されている。

大統領府からは今のところコメントを得られていない。

報告書はまた、ボルソナロ大統領の3人の息子についても「パンデミック(世界的大流行)を抑えるための公衆衛生措置への不服従」を促す偽情報を拡散したとして、訴追を勧告した。

ブラジルの新型コロナによる死者は累計で60万人を超えており、世界で米国に次ぐ2番目の多さとなっている。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米政権文書、アリババが中国軍に技術協力と指摘=FT

ビジネス

エヌビディア決算にハイテク株の手掛かり求める展開に

ビジネス

トランプ氏、8月下旬から少なくとも8200万ドルの

ビジネス

クーグラー元FRB理事、辞任前に倫理規定に抵触する
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 2
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃度を増やす「6つのルール」とは?
  • 3
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生まれた「全く異なる」2つの投資機会とは?
  • 4
    ヒトの脳に似た構造を持つ「全身が脳」の海洋生物...…
  • 5
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 6
    「不衛生すぎる」...「ありえない服装」でスタバ休憩…
  • 7
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 8
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 9
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 10
    「腫れ上がっている」「静脈が浮き...」 プーチンの…
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 3
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前に、男性が取った「まさかの行動」にSNS爆笑
  • 4
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 5
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 8
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 9
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 10
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中