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米ミズーリ州、中国政府を提訴 新型コロナの経済的損失巡り
米ミズーリ州は21日、中国政府の新型コロナウイルス対応が同州に多大な経済的損失をもたらしたとし、現金での損害補償を求めて提訴した。北京で2014年7月撮影(2020年 ロイター/Jason Lee)
[21日 ロイター] - 米ミズーリ州は21日、中国政府の新型コロナウイルス対応が同州に多大な経済的損失をもたらしたとし、現金での損害補償を求めて提訴した。新型コロナ危機を巡り、米州が中国を提訴するのは初めて。
同州のシュミット司法長官は声明で「中国政府は世界に対し新型コロナの危険性や感染力を偽り、内部告発者の口を封じ、感染拡大阻止に向けた措置をほとんど講じなかった」と述べた。
訴状はまた、中国政府による医療用マスクや個人防護身用品(PPE)の「買いだめ」が新型コロナ世界大流行の状況を悪化させたと非難した。
米企業の代表も中国政府を相手取り、米裁判所で同様の訴訟を起こしているが、国際法の専門家は、新型コロナ危機を巡り米裁判所で中国の法的責任を追求することは難しいとの見方を示している。
トランプ大統領は当初、新型コロナ対応で習近平・中国国家主席を称賛。しかし、その後は新型コロナを「中国ウイルス」と呼び、新型コロナが中国湖北省武漢にあるウイルス研究所から流出したものかどうかを米政府が調査中だと明らかにするなど、批判的な姿勢を鮮明にしている。
中国外務省の耿爽報道官は22日の定例会見で、ミズーリ州の提訴について「荒唐無稽以外の何物でもない」と主張。事実や法律上の根拠が全くないと批判した。
同報道官は、中国政府の対応を米国の裁判所で裁くことはできないと指摘。米国には1月3日以降、新型コロナに関する最新情報を提供してきたと述べた。
同報道官は「そのような訴訟の悪用は米国内の感染対策に有益ではなく、国際協力にも反する」と発言。「米国はそのような訴訟の悪用に反論し、悪用を拒否すべきだ」と述べた。
*内容を追加しました。