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米弾劾審議で冒頭陳述、民主党は「ウクライナに不正に圧力」と非難
トランプ米大統領のウクライナ疑惑を巡る上院の弾劾裁判は22日、野党・民主党のアダム・シフ下院情報特別委員長(中央)が冒頭陳述を行い、トランプ氏が11月の大統領選挙で再選を有利にするために不正な方法でウクライナに圧力を掛けたと非難した(2020年 ロイター/MARY F. CALVERT)
[ワシントン 22日 ロイター] - トランプ大統領のウクライナ疑惑を巡る米議会上院での弾劾裁判は22日、野党・民主党のアダム・シフ下院情報特別委員長が冒頭陳述を行い、トランプ氏が11月の大統領選挙で再選を有利にするため、不正な方法でウクライナに圧力を掛けたと非難した。
シフ氏の冒頭陳述では、トランプ氏が昨年、根拠のない汚職容疑で民主党のバイデン前副大統領とその息子を調査するようウクライナのゼレンスキー大統領に圧力を掛けたと主張。トランプ氏はウクライナ大統領に対して調査を公表するよう圧力をかけ、自身の再選に有利になるようにしたと非難した。
その上で「何をしても許されると信じている最高司令官ほど、民主主義に対する脅威となるものはない」と述べた。
シフ氏はさらに「トランプ大統領が(ウクライナへの)軍事支援保留を命じた証拠がある。トランプ氏は自身の再選を有利にするために支援を保留した」とし、「われわれはトランプ氏がこの罪と(議会の)調査妨害で有罪だと証明できる」と結んだ。
民主党はこの日、8時間にわたって冒頭陳述を行った。民主党の冒頭陳述にはあと2日割り振られており、23日に再開される。その後、共和党も3日かけて反論。審議は来週には終了する可能性がある。
トランプ大統領は訪問先のスイスで記者団に対し、民主党は十分な証拠を持っていないと主張。「われわれのチームはうまくやっている。われわれはすべての情報を把握しているが、民主党は把握していない」と述べた。
トランプ氏は世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)に出席するためスイスを訪問。トランプ氏不在の中、上院は22日未明、弾劾裁判の審理運営規則案を賛成多数で可決。これにより、この日の冒頭陳述の開始が可能となった。[nL4N29R24B]
22日公表のロイター/イプソスの世論調査によると、米国民(所属政党問わず)の約72%が、ウクライナ疑惑について直接情報を得ている人物が証言すべきだと回答。政党別では民主党員の84%、共和党員の69%が証人招致を支持した。
ニールセンの視聴率調査によると、審理初日の21日には1100万人前後が弾劾裁判のテレビ中継を視聴した。昨年11月に下院の弾劾調査で公開証言が初めて行われた際には、これを上回る1380万人がテレビ中継を視聴していた。
*内容を追加しました。