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英EU離脱巡る不透明性解消、世界経済に恩恵=世銀総裁
世界銀行のマルパス総裁は17日、英国の欧州連合(EU)離脱を巡る先行き不透明性が解消すれば、世界的な経済成長見通しの底上げにつながるとの見解を示した(2019年 ロイター/MIKE THEILER)
[ワシントン 17日 ロイター] - 世界銀行のマルパス総裁は17日、英国の欧州連合(EU)離脱を巡る先行き不透明性が解消すれば、先進国と新興国の双方が恩恵を受け、世界的な経済成長見通しの底上げにつながるとの見解を示した。
マルパス総裁は世銀と国際通貨基金(IMF)の年次総会で記者団に対し、英国のEU離脱を巡る先行き不透明性は双方の景気見通しの重しになっていたと指摘。問題の解決は英国とEUだけでなく、新興国経済にも恩恵をもたらすとし、「(離脱を巡る)見通しが明確になれば、経済成長環境はやや改善する」と述べた。
英国とEUはこの日、英国の離脱条件を修正することで合意した。
IMFのゲオルギエバ専務理事も英国とEUが合意に至ったことを歓迎。記者団に対し、英国が条件などで合意しないままEUを離脱すれば、経済成長率は英国が3.5─5%、EUが0.5%下押しされるとIMFは予想していたと述べた。
合意の上で離脱したとしても英経済成長率は2%下押しされるとしながらも、離脱が決まった2016年の国民投票からかなりの時間が経過していることを踏まえると、こうした影響の大部分はすでに織り込まれていると述べた。
IMFは19年の英経済成長率見通しを1.2%と、3カ月前に示した1.5%から下方修正。09年以来の低水準となる。
ゲオルギエバ専務理事はこのほか、米中が先週、部分的な通商合意に至ったことに勇気づけられたと表明。ただ両国が持続可能な「通商面での和平」に向けた取り組みを継続することを望んでいると述べた。
マルパス総裁は中国について、世界的な経済システムへの関与のほか、通商や法の支配などの面で改善余地があるとの考えを示した。
*内容を追加しました。