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イラン大統領、米抜きの核合意堅持へ 目的達成が条件
5月8日、イランのロウハニ大統領は、米国の離脱に関わらず、西側諸国などと2015年に結んだ核合意を堅持すると表明した。写真はハイデラバードで2月撮影(2018年 ロイター/Danish Siddiqui)
[アンカラ 8日 ロイター] - イランのロウハニ大統領は8日、米国の離脱に関わらず、西側諸国などと2015年に結んだ核合意を堅持すると表明した。
ロウハニ大統領はテレビ演説で「米国以外の当事国と合意目標を達成できるのであれば、核合意を堅持する。米国は離脱によって、国際協定へのコミットメントを正式に弱体化させた」と語った。
欧州の当事国である英仏独や中国、ロシアと数週間中に交渉を開始するよう外務省に命じたことを明らかにした。
ロウハニ大統領はイラン国民が米離脱の影響を受けることはないと強調。「イラン経済の発展は今後も続く。国民が懸念する必要はまったくない」と語った。
また、米国抜きの核合意に残留してもイランの国益が守られないのであれば「無制限で産業レベル」のウラン濃縮活動を再開する用意があるとも述べた。「今後はイランの国益がすべての判断基準になる」とした。
核合意はイランが濃度20%の濃縮ウランの生産を止め、貯蔵していた濃縮ウランの大半を放棄するかわりに、欧米などが科していた経済制裁を解除する内容となっている。
ザリフ外相はツイッターに「米国の度重なる違反と核合意からの違法な離脱を受け、わたしは大統領の指示により、他の当事国がイランが同合意から十分な恩恵を得ることを担保するかどうかを見極める外交的取り組みを主導する。この結果がわれわれの対応を決定付けることになる」と投稿した。
イランの最高指導者ハメネイ師はこれまで、米国が離脱した場合はイランも核合意を「破棄する」と述べている。
イランの当局者らはロイターに対し、トランプ大統領の離脱決定はイランの複雑な権力構造内部における政治闘争が再燃するきっかけになり得ると指摘。穏健派ロウハニ師による欧米との緊張緩和に向けた政策に反発してきた強硬派を有利にさせる可能性がある。
一方、米国と同盟関係にあり、イランと中東の覇権を争っているサウジアラビアとイスラエルは米国のイラン核合意離脱に歓迎の意を表した。
*内容を追加します。