ニュース速報

ワールド

米国民が政府を告訴、「入国審査時の不当な電子機器検査は違法」

2017年09月14日(木)13時09分

 9月13日、米国への入国審査で正当な理由なく携帯電話やラップトップなどを検査するのは違法だとして、市民らが国土安全保障省(DHS)を相手に訴訟を起こした。写真は米国に入国する人に対応する米税関・国境警備局の職員。カリフォルニア州 で昨年10月撮影(2017年 ロイター/Mike Blake)

[ワシントン 13日 ロイター] - 米国への入国審査で正当な理由なく携帯電話やラップトップなどを検査するのは違法だとして、市民らが国土安全保障省(DHS)を相手に訴訟を起こした。13日に裁判所に提出された訴状で明らかになった。

マサチューセッツ州連邦地方裁判所で訴えを起こしたのは米国民10人と合法永住者1人。電子機器の検査や長期間にわたる没収は、合衆国憲法が保証するプライバシーと言論の自由に反すると主張している。

DHSからのコメントは得られていない。

税関・国境警備局の4月の発表によると、検査は2016年度に約1万9000件と、15年度の8500件から増加。17年度は上期だけで約1万5000件だった。

原告には退役軍人、米航空宇宙局(NASA)の技術者、ジャーナリスト、プログラマーが含まれている。原告を代表する電子フロンティア財団と米国自由人権協会によると、イスラム教徒や少数民族もいるという。

テキサス州に住む原告のSuhaib Allababidi氏は、1月にドバイへの出張を終えてダラス空港から入国しようとした際に税関・国境警備に止められたと説明。仕事用の携帯電話の検査には応じたものの、個人用電話のロック解除については拒否したと話した。

Allababidi氏によると、検査官は電話を両方とも没収。仕事用の電話は2カ月後に返却されたが、個人用は7カ月たっても手元に戻っていないという。同氏は「答えのないまま暗闇に放置されているようなものだ」と述べ、「電話は戻って来るのか、自分は何か悪いことをしたのか。私が知っているのは、電話を没収されたということだけだ」と述べた。

米国では通常、米国人の所有する電子機器の検査には令状が必要だが、いわゆる「入国審査特例」により、国境から160キロメートル以内では令状なしで連邦当局による検査が可能となっている。

ロイター
Copyright (C) 2017 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米大統領権限で3カ国に関税、法的根拠巡り専門家から

ワールド

トランプ関税4日発動、メキシコ・カナダ・中国に 貿

ワールド

中国、WTO通じて対抗へ 米国の追加関税に

ワールド

米国関税、為替への影響や米金融政策の動き「見極め」
MAGAZINE
特集:トランプ革命
特集:トランプ革命
2025年2月 4日号(1/28発売)

大統領令で前政権の政策を次々覆すトランプの「常識の革命」で世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」を予防するだけじゃない!?「リンゴ酢」のすごい健康効果
  • 2
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    足の爪に発見した「異変」、実は「癌」だった...怪我…
  • 5
    メーガン妃からキャサリン妃への「同情発言」が話題…
  • 6
    今も続いている中国「一帯一路2.0」に、途上国が失望…
  • 7
    「靴下を履いて寝る」が実は正しい? 健康で快適な睡…
  • 8
    マイクロプラスチックが「脳の血流」を長期間にわた…
  • 9
    トランプ「関税戦争」を受け、大量の「金塊」がロン…
  • 10
    「やっぱりかわいい」10年ぶり復帰のキャメロン・デ…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
  • 4
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 5
    緑茶が「脳の健康」を守る可能性【最新研究】
  • 6
    今も続いている中国「一帯一路2.0」に、途上国が失望…
  • 7
    DeepSeekショックでNVIDIA転落...GPU市場の行方は? …
  • 8
    血まみれで倒れ伏す北朝鮮兵...「9時間に及ぶ激闘」…
  • 9
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
  • 10
    「靴下を履いて寝る」が実は正しい? 健康で快適な睡…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 5
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀…
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 8
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 9
    中国でインフルエンザ様の未知のウイルス「HMPV」流…
  • 10
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中