暗号資産市場にもAIブーム、トークン上昇率がビットコイン超え
AIブームが暗号資産市場にも大きな影響を及ぼしている。写真は2023年12月撮影(2024年 ロイター/Dado Ruvic)
Medha Singh Lisa Pauline Mattackal
[19日 ロイター] - 人工知能(AI)ブームが暗号資産市場にも大きな影響を及ぼしている。AIに特化した暗号プロジェクトに関連するコインはエヌビディアのようなハイテク株と並んで急騰。機械学習のようなアプリケーションに対する投資家の飽くなき欲求に後押しされた。
世界最大の仮想通貨ビットコインが記録的な水準まで上昇する中、多くのAIトークンの過去1年間の上昇率は、ビットコインをも上回った。
コインゲッコーのデータによると、時価総額は、昨年4月時点のわずか27億ドルから264億ドルに拡大。暗号プロジェクトに関連するトークンは過去30日間で145─297%上昇している。
ブロックチェーンデータのストレージを手掛けるXYOネットワークの共同創業者マーカス・レビン氏は「AIシステムとブロックチェーンネットワークの両方が成長し続けるにつれ、この2つの業界を融合した事例がますます増えるだろう」と語った。
AIトークンを含む「コインデスク・コンピューティング指数」は過去12カ月で165%以上急騰し、ビットコインの151%上昇を上回っている。
AIトークンの取引量も今年に入り急増しており、カイコ・リサーチのデータによると、2月下旬には過去最高の38億ドルを記録した。
資産運用会社ヴァンエックはノートで「AIアプリケーションが暗号の存在理由になる大きな可能性がある」と指摘した。
現在注目されているブロックチェーンプロジェクトには、AIが生成したグラフィックをピアツーピア(P2P)で共有するためのブロックチェーンプラットフォーム「Render Network」、AIアプリを構築するためのプラットフォーム「Fetch.AI」、AIサービスマーケットプレイス「SingularityNET」などがある。
AIに特化したブロックチェーンスタートアップ企業「io.net」の創業者アフマド・シャディド氏は「投資家は、本当の価値を求めるなら暗号市場と相関関係のない商品が必要であることに気付き始めている」と語った。