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米、ベトナムとの外交関係強化へ 中国の反発招く恐れも

バイデン米大統領が10日にハノイを訪問するのに伴い、米国はベトナムとの外交関係を強化する見通しだ。写真は2022年7月、講演するバイデン氏(2023年 ロイター/Kevin Lamarque)
Francesco Guarascio
[ハノイ 3日 ロイター] - バイデン米大統領が10日にハノイを訪問するのに伴い、米国はベトナムとの外交関係を強化する見通しだ。ベトナムにとっては、中国の反発を招く恐れがあり、ビジネスへの影響は不透明だ。
ベトナムは米国との関係強化について当初、中国の反応を心配して慎重な姿勢を示していた。こうしたベトナムの姿勢を受け、米国はここ数カ月、複数の高官を派遣するなどしてベトナムを説得する取り組みを強化。米国はベトナムとの外交関係を最高レベルに引き上げる方針だ。
ISEASユソフ・イシャク研究所のシニアフェロー、Le Hong Hiep氏は、ベトナムが米国との関係を強化すれば中国の不興を買うリスクがあると指摘した上で、しかし米国の対中関係が「今後悪化する可能性が高い」と予想して今が最善のタイミングだと判断した可能性があると分析した。
ダニエル・イノウエ アジア太平洋安全保障研究センターのAlexander Vuving氏は「ベトナム経済は資本、技術、市場アクセスの拡充を切実に必要としている」と述べ、それが米国との関係強化を模索する主因かもしれないとの見方を示した。
また米国によるベトナムへの軍事物資の供給拡大もかなり前から議論されてきたが、協議には時間がかかるため近く合意がまとまる可能性は低いと述べた。
ただ両国の関係強化は、米企業のベトナムにおける計画に追い風となりそうだ。関係者によると、航空機大手ボーイングやエネルギー会社AESがバイデン氏のハノイ訪問中に何らかの発表を行う可能性がある。これについて両社はコメントしなかった。
関係筋によると、ボーイングはバイデン氏の訪問中に主力旅客機「737MAX」を50機販売することを望んでいるという。
米ASEAN経済協議会のベトナム事務所代表Vu Tu Thanh氏は、ベトナムとの貿易を促進するために米国の税関手続きが緩和される可能性があると述べた。