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FRB当局者、追加利上げの賛否説明 9月会合の輪郭明らかに
FILE PHOTO: The U.S. Federal Reserve building is pictured in Washington, March 18, 2008. REUTERS/Jason Reed/File Photo/File Photo
[7日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)当局者が7日、追加利上げに関する賛否を説明したことで、9月19─20日に開かれる次回会合での政策決定の核となる討議の輪郭がおぼろげながらも明らかになった。
ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は、金利の低下が来年始まる可能性があると指摘。FRBのボウマン理事は、インフレ率をFRBが目標とする2%に引き下げるためには追加利上げが必要になる公算が大きいと述べた。
ウィリアムズ総裁は米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)のインタビューで「基調的なインフレ率が低下する環境に移行しつつあると考えている」とし、「ターミナルレート(政策金利の最終到達点)と想定される地点にかなり近づいていると考えている」と述べた。
その上で、ニューヨーク連銀が開発したインフレ指標によると、物価上昇ペースは年末までに年率2.5%程度まで鈍化し、FRBが目標とする2%に手が届く範囲に収まる可能性があると指摘。インフレ率が低下し続ければ、インフレ調整後の「実質」金利が上昇しないように来年の利下げが適切になる可能性があると述べた。インタビューは2日に行われ、内容は7日に公表された。
ボウマン理事は7日にアトランタで開催された「フェド・リッスンズ」で、インフレが高水準にとどまる中でも経済成長が続いていることを踏まえると、追加利上げが実施される可能性が高いとの考えを表明。
7月の会合で利上げを支持した理由として、インフレ率が高すぎる水準にあり、雇用の伸びなどから経済が「緩やかな」ペースで拡大し続けていると示されていたことを挙げ、「インフレ率を目標まで引き下げるために、追加利上げが必要になる公算が大きい」と述べた。
その上で、インフレ率は依然として目標の2%を大幅に上回っており、労働市場が引き締まった状態は続いていると指摘。「さらなる利上げが必要か、また、どの程度の期間にわたり十分に制約的な水準に金利を維持すべきかについて検討する際、インフレ率が一貫して有意な下降基調にあるかどうかを見極めたい」と語った。
FRBは7月25─26日の会合で0.25%ポイントの利上げを決定。最新の金利・経済見通しでは年内にあと1回の利上げが行われるとの見通しが示されている。ただ、このところの経済指標でインフレは予想より速いペースで鈍化。アナリストの間では、FRBに有利に働く「ディスインフレ」が進む可能性があるとの見方も出ている。