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中国当局幹部、海外金融機関を歓迎 事業環境整備を約束
6月8日、中国国家金融監督管理総局の李雲沢局長(写真)は、上海の陸家嘴フォーラムで講演し、業績の良い海外機関が中国で事業を行うことを歓迎すると表明、金融部門のリスクは全体として管理可能だとの認識を示した。写真は上海で撮影(2023年 ロイター/Jason Xue)
[上海 8日 ロイター] - 中国金融監督当局の幹部らが8日、外国金融機関の参入を歓迎する姿勢を改めて示した。厳格な新型コロナウイルス規制解除後、中国は外資の誘致を積極化しており、米金融大手ゴールドマン・サックスのトップなどが中国を訪問している。
中国国家金融監督管理総局の李雲沢局長は8日、上海の陸家嘴フォーラムで講演し、業績の良い海外機関が中国で事業を行うことを歓迎すると表明、金融部門のリスクは全体として管理可能だとの認識を示した。李氏が公の場で発言するのは同局の局長に指名されてから初めて。
同氏は、最近の世界的な銀行危機は中国にほとんど影響していないが、教訓を与えてくれたと発言。「有効需要を回復・拡大し、金融サービスの最適化と改善を続け」「実体経済へのサービスの有効性を高める」と述べた。
李氏は同総局が規制の盲点をなくすとも表明。中国には金融のシステミックリスクを防ぐ条件と信頼感が備わっていると述べた。
同氏は5日、北京で米金融大手シティグループのジェーン・フレイザー最高経営責任者(CEO)と会談し、金融セクターをさらに開放する方針を示した。
今回のフォーラムでもこの点に改めて触れ、中国は民間の金融環境を最適化し、民間企業向けの金融サービスを強化すると述べた。
中国証券監督管理委員会(証監会)の易会満主席は同フォーラムで市場アクセス、機関の資格、商品の面で包括的な規制緩和を「断固」推進すると強調した。
フォーラムではHSBCやクレディ・アグリコル、ペイパルなどの代表が登壇することになっている。
中国国営メディアによると、習近平中国国家主席は内モンゴル自治区の工業団地を訪れ、「相互の利益」のために対外世界と協力し、高度の開放を実行するよう地元当局者に指示した。
ロシアやモンゴルと国境を接する場所であることも踏まえ、習氏自身が掲げた「双循環戦略」の下、国内循環と国際循環を連結する上でより大きな役割を果たすよう求めた。
また、国営メディアによると、中国の韓正筆頭副首相が8日、英金融セクターとの協力を深化させ、二国間の経済・貿易関係の健全な発展を促進する意向を示した。北京でロンドン市長のニコラス・ライオンズ氏と会談し、金融分野における二国間協力は実務的な協力の新たな推進力であり、英中の経済・貿易協力の勢いはポジティブで大きな潜在力が示されていると述べた。