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6月1日満期の米TB利回り急上昇、フィッチが米格下げリスク指摘

アジア時間25日の取引で6月1日満期の米短期証券(Tビル)の利回りが18ベーシスポイント(bp)余り上昇し、7.4268%を付けた。写真はドル紙幣、2020年5月撮影(2023年 ロイター/Dado Ruvic)
[シンガポール 25日 ロイター] - アジア時間25日の取引で6月1日満期の米短期証券(Tビル)の利回りが19ベーシスポイント(bp)余り上昇し、7.47%を付けた。
米2年債利回りは3月以来の高水準を記録した。
格付け会社フィッチが米国の「AAA」長期外貨建て発行体格付けを格下げ方向のウォッチネガティブに指定したことを受けた。
米財務省は債務上限が引き上げられなければ6月1日に資金繰り策が行き詰まると警告している。フィッチは所定の期日までに債務上限の引き上げ、もしくは凍結が行われない場合、格付けを引き下げる可能性があるとした。
アジア時間の取引では買い気配と売り気配の差が広がっている。
6月に満期を迎える他のTビルも利回りが7%を超え、現在5.1%程度のフェデラルファンド(FF)金利を大幅に上回っている。
アナリストによると、フィッチの発表は予想外ではなく、アジア時間のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場では米国債の保証料率は小動きとなっている。
メイバンク・インベストメント・バンキング・グループの債券調査部門ヘッド、ウィンソン・プーン氏は、米国が債務不履行(デフォルト)になる可能性は低いと予想。
しかし実際にデフォルトとなった場合は「オペレーションや流動性に大きな影響を与える恐れがある」とし、中長期の米国債に対する安全資産としての需要が高まる可能性があると述べた。
米10年債利回りは小幅に上昇し、3.75%となった。2年債利回りは一時7bp上昇し4.415%を付けた。
FF金利先物は小幅下落。米連邦準備理事会(FRB)が9月にも利下げを行うとの見方が後退した。