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米富豪サム・ゼル氏死去、不動産投資で脚光 81歳

不動産投資家として知られた米富豪サム・ゼル氏が81歳で死去した。同氏の個人投資会社が18日明らかにした。写真は2017年5月、ビバリーヒルズで撮影(2023年 ロイター/Lucy Nicholson)
[18日 ロイター] - 不動産投資家として知られた米富豪サム・ゼル氏が81歳で死去した。同氏の個人投資会社が18日明らかにした。フォーブスによると、同氏の純資産額は52億ドル。
ナチスの侵略に伴ってポーランドから米国に渡った両親の下で1941年に生まれたゼル氏は、若いうちから不動産投資の世界に入り、大学生時代の1968年に投資会社を設立。製造業、旅行、小売り、ヘルスケア、エネルギーなどの事業にもかかわった。
ゼル氏は、1990年代には不動産賃貸で得た利益を投資家に分配する不動産投資信託(REIT)の仕組みを世の中に広める上でも重要な役割を果たした。
同氏が手掛けたREITの1つ、エクイティー・オフィス・プロパティーズ・トラストは、初めてS&P総合500種に採用され、その後大手投資会社ブラックストーンに390億ドルで売却された。これはREIT関連のディールとしては史上最大級とされる。
ただ大手メディアのトリビューンを多額の借り入れをして82億ドルで取得し、非公開化した取引は結局うまくいかなかった。債務負担が過剰になったトリビューンは、世界金融危機時に破産申請した。
同氏は熱烈なオートバイ愛好家としても有名だった。