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トヨタが主導、商用電動車でEMS構築へ 荷主などと取り組み

トヨタ自動車が主導する商用車の技術開発会社「コマーシャル・ジャパン・パートナーシップ・テクノロジーズ(CJPT)」は19日、物流効率化に向けた社会実装プロジェクトを福島県と東京都で2023年1月から始めると発表した。写真はトヨタの豊田章男社長。都内で昨年12月撮影。(2022年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
[東京 19日 ロイター] - トヨタ自動車が主導する商用車の技術開発会社「コマーシャル・ジャパン・パートナーシップ・テクノロジーズ(CJPT)」は19日、物流効率化に向けた社会実装プロジェクトを福島県と東京都で2023年1月から始めると発表した。燃料電池車(FCV)や電気自動車(EV)による商用電動車を計約580台導入し、最適な充電・水素充填タイミングや運送経路などを提案するエネルギーマネジメントシステム(EMS)の構築を図る。
商用電動車では、効率的な走行ルートの選択などもできるエネルギーマネジメントが可能になるため、社会実装を通し、日本で問題になっている人手不足状態のドライバーや作業者の負担軽減にもつなげる。充電・水素充填のインフラ設備の効率的な配置も提案し、投資や時間のロスも少なくする。
国内の商用車市場では、低価格を売りにした中国勢の商用電動車も浸透し始めている。CJPTは最安で運送できるルートや各ドライバーに合わせた運転方法などを提案することで事業者のランニングコスト低下も目指す。
CJPTは21年4月にトヨタ、いすゞ自動車、日野自動車が設立した共同出資会社で、同年7月にはスズキとダイハツ工業も参画。トヨタが60%を、日野、いすゞ、スズキ、ダイハツが10%ずつ出資している。
自動車メーカー5社は、セブン─イレブン・ジャパンなどのコンビニエンスストア大手、コカ・コーラボトラーズジャパン、アマゾンジャパン、ヤマト運輸、佐川急便、ENEOSなど荷主・物流・インフラなど25以上のパートナー事業者を取り込み、一体となって商用電動車の普及に取り組む。
商用電動車は、水素を燃料として酸素との化学反応で発電する燃料電池(FC)による大型・小型トラックを東北と関東、関西を結ぶ幹線輸送用として、EVによる小型トラックと商用軽バンを短距離配送用として導入する計画で、リースで提供する。
トヨタのFC技術といすゞ・日野のトラック技術を組み合わせたFC小型トラックを来年1月以降に、トヨタの電動化技術とスズキ・ダイハツの小型車づくりのノウハウを融合した商用軽バンのEVを23年度に投入することを目指す。