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NY外為市場=ドル下落、FRBから予想以上のタカ派サプライズなく

2022年03月17日(木)07時06分

3月16日、ニューヨーク外為市場ではドルが下落。写真は米ドルと露ルーブルの紙幣。2月撮影(2022年 ロイター/Dado Ruvic)

[ニューヨーク 16日 ロイター] - ニューヨーク外為市場ではドルが下落。米連邦準備理事会(FRB)が2018年12月以来3年3カ月ぶりの利上げを決定したものの、一段とタカ派的なサプライズに欠いたことで、ドルは売られる展開となった。

主要6通貨に対するドル指数は最大0.6%安。2月終盤に始まったロシアのウクライナ侵攻以降は3%上昇していた。

FRBは15─16日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.25%ポイント引き上げ、0.25─0.50%とすることを決定。同時に、年末時点での金利見通しを1.75─2.00%とし、インフレ抑制に向け積極的な姿勢を示した。

シルバー・ゴールド・ブルのエリック・ブレガー氏は、予想されていた以上に「タカ派的な驚きはなかった」と指摘した。

ウェルズ・ファーゴ・セキュリティーズのストラテジストは、FRBから出されたコメントは「非常にタカ派」で、ドルへの支援材料となるはずだったとしつつも、ドル指数の下落はFRBのレトリックがさらにタカ派的とならなかったことへの失望感を反映している可能性があるという見方を示した。

終盤の取引で、ユーロは0.7%高の1.1032ドル。

英ポンドも0.7%上昇。市場では、イングランド銀行(英中央銀行)が17日の金融政策委員会(MPC)でほぼ確実に追加利上げを決定するとの見方が出ている。

ウクライナとロシアの停戦への期待も、ユーロとポンド押し上げにつながった。

ドルは対円では0.4%高の119.13円と、約6年ぶり高値を更新。日銀は17─18日の金融政策決定会合で、現行の金融緩和政策の継続を決定するとみられている。

ロシアはこの日、ウクライナとの和平交渉で妥協案として、ウクライナがオーストリアのように限定的な自国軍を持ちつつ「中立的」な立場にとどまることが検討されていると表明。ロシア側の交渉責任者であるメジンスキー大統領補佐官は国営テレビに対し「ウクライナはオーストリアやスウェーデンのように、中立的な非武装国でありながらも、同時に自国の軍隊や海軍を持つ国家像を提案している」と語った。

ロシアルーブルは対ドルで7%安。

豪ドルは1.3%高の0.7288米ドル。

暗号資産(仮想通貨)のビットコインは5%高の4万1186ドル。

ドル/円 NY終値 118.72/118.75

始値 118.30

高値 119.12

安値 118.20

ユーロ/ドル NY終値 1.1032/1.1034

始値 1.0999

高値 1.1046

安値 1.0951

ロイター
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